2021/05/18
[マレーシア]2021年3月の失業率4.7%へとやや改善
マレーシアの2021年3月の失業率は、2月の4.8%からわずかに下がって4.7%となりました。マレーシア統計局(DOSM)が最新の労働力レポートの中で明らかにしました。
▼1982年~2020年および2020年1月~2021年3月の失業率推移(出所:DOSM)
これは、失業者数が2月の777,500人に対して、3月は753,200人になったことになります。
DOSMによると、職を積極的に探しており、仕事があればすぐに就くことができる完全失業者は、3.2%減少しました。これは、20,500人に相当します。よって、このカテゴリーに入る失業者は、2021年2月の647,400人から3月は626,900人となりました。DOSMのレポートでは、「完全失業者の半数以上が、失業状態が3か月未満(51.1%)で、1年超も失業状態が続いている人は10.9%だった」と述べられています。
一方で、就業者数も4か月連続で上向き傾向となりました。3月は、0.4%増となり、就業者数を2月の1,527万人から1,533万人に引き上げました。
DOSMによると、2020年4月以降、就業者数は、対前年同期で減少傾向にありましたが、11か月ぶりに初めて、就業者数が対前年同期でもプラスの0.6%(+96,900人)になったということです。
また、マレーシアの労働力人口にも0.2%の増加がありました。34,300人に相当します。これにより、全体では1,608万人となりました。3月は労働力参加率もわずかに増加し68.6%でした。2月は68.5%でした。
雇用形態別では、従業員が76,800人増加し、1,187万人から1,195万人に増加しました。このカテゴリーが就業者の77.9%を構成します。自営業もまた増加し、2月の243万人から48,300人増加して258万人となりました。自営業の占める割合は、16.2%となっています。残りの5.9%は、無給で家業を手伝う家族でした。
DOSMの主席統計官モハメド・ウジール・マヒディン博士は、この改善について、同月に行われた活動制限令(MCO)の変化によるものだとしています。2020年3月に行われたMCO 1.0では、国内外の境界だけでなく、ほとんどの経済活動が閉鎖となりましたが、2021年3月は、多くの州が回復に向けたMCO(RMCO)を実施、一部で条件付きMCO(CMCO)が行われており、経済活動のほとんどは、厳しい標準作業手順(SOP)にのっとった上で継続が認められている点が違いであると説明しています。
2021年3月の失業率だけでなく、DOSMの最新の労働力レポートでは、2021年第1四半期の労働力についての情報も明らかになりました。それによると、2021年第1四半期の失業率は4.8%、771,800人が失業状態にありました。一方で就業者数は0.5%増の1,524万人となりました。特に、サービス、製造、建設セクターでの改善が見られたということです。
前向きな流れが出てきていますが、モハメド・ウジール統計官は、マレーシアの労働力は、国のコロナ状況と景気動向の不確定性に左右される、と注意を促しています。マレーシアにおける日当たりのコロナ感染者数の増加により、MCOの再導入を余儀なくされたことで、今後数か月の回復の妨げになるかもしれないと述べています。
(出所:Ringgit Plus, Department of Statistics Malaysia)
(画像:Image by Gerd Altmann from Pixabay)
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