[マレーシア] 市場回復の兆しは投資家にとって朗報

2018/09/14

[マレーシア] 市場回復の兆しは投資家にとって朗報


マレーシアのレジデンシャル不動産市場は2012年をピークに販売量が下降しており、5年連続の低迷をみせています。しかし、2015年までは、販売量が低下しても、取引総額を減らすことはありませんでした。

取引1件あたりのレジデンシャル物件の平均価格は、成長率は低下したものの、毎年上がり傾向でした。


レジデンシャル不動産価格

マレーシアの主要不動産市場のうち、価格成長の点では、ジョホールのレジデンシャル不動産の業績が一番よく、2006年から2018年第1四半期までの年平均成長率(CAGR)は9.8%でした。ジョホールに続くのは、ペナンCAGR8.0%、クアラルンプールCAGR7.8%でした。マラッカとセランゴールは、それぞれ6.7%と6.5%でした。

クアラルンプールのレジデンシャル不動産平均価値は、2018年第1四半期797,000リンギット(約2,200万円)、セランゴールが465,000リンギット(約1,300万円)、ペナンRM421,000円(約1,100万円)、ジョホール339,000リンギット(約920万円)、マラッカ249,000リンギット(約670万円)でした。


マレーシアにおける外国投資政策

マレーシアは外国投資、特にレジデンシャル不動産投資にやさしい政策をとっています。

1)外国人はマレーシア国内に住居用不動産を購入、所有することができ、そのコストは500,000リンギット(約1,400万円)からと低い。

2)外国人はマレーシア国内のフリーホールドのレジデンシャル不動産はもちろん、リースホールドも所有できる。

3)外国人は、土地付き物件および区分所有権、両方とも所有できる。

土地は州政府の管理下にあるため、上記は州によって異なります。したがって、取得のさいにはすべて州政府の同意が必要となります。

外国人のレジデンシャル不動産購入にかかる最低購入価格も州によって異なります。



市場のようすは?

Savillsのレポートによると、マレーシアの不動産市場はすでに2012年から5年間低迷を続けており、2018年に急激な回復があるとはみられていません。しかし、このような買い手市場には特に、ホームバイヤーや投資家が調べるべき機会のポケットがあるはずだとしています。

セカンダリー市場では、ここ数か月で市場に出回るようになった、お得なレジデンシャル物件がいくつも存在しています。

これらの物件の中には、以前なら優良ユニットが売りに出されていなかったような、好ロケーションにあるものもあります。これらの物件の希望販売価格も適切です。

プライマリー市場では、デベロッパー各社は、現金割引、無料アイテム(無料のメンテナンス料、リーガル料、印紙税、電化製品など)やくじ引きなどといったインセンティブを今までになく提供しています。

ホームバイヤーや投資家にとっては、不動産購入の際の低いエントリーコストから受ける利益も大きいでしょう。

さらに、マレーシアには、不動産市場を長期的に形作る主要な要因があります。

・人口および世帯形成の増加
・世帯収入の増加
・就業機会の増加
・鉄道プロジェクト(クラン・バレーのMRT2、LRT3、ジョホールのJB-シンガポール・ラピッド・トランジット・システム、ペナン島のLRTなど)を受けて公共交通機関の接続性改善

(出所:Business Times