2020/06/04
[マレーシア] 活動制限緩和なるも多くの建設プロジェクトの閉鎖続く
マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相は、2020年6月1日、条件付き活動制限令(CMCO)のもと最も早く再開が許可された業種であるにも関わらず、4,000以上の建設プロジェクトが閉鎖のままだと明かしています。
依然として閉鎖の判断をするデベロッパーが多いのは、デベロッパー各社の自信の弱さを強調しています。かさむコストと資材供給の混乱への懸念が、多くのデベロッパーに、新型コロナウィルス(Covid-19)後の回復が始まるまで、慎重な姿勢を保ちオペレーションを停止させているようです。
イスマイル上級相は、マレーシア建設産業開発局(Construction Industry Development Board(CIDB))が検査を行った建設現場約6,000のうち、934の現場では保健省(Ministry of Health)の標準作業手順(SOP)を守られていたのに対して、224の現場ではSOPが守られていなかったと話しています。
残りの4,000をこえる現場は、政府が部分的に活動制限措置を緩和してからも、1か月近く閉鎖した状態が続いています。
建設業は、マレーシアのGDP成長に貢献している産業のひとつです。しかし、建設業の主な労働力である外国からの出稼ぎ労働者に新しいクラスターが発見されてから、デベロッパー各社の間では懸念が生じています。しかし、建設業の主な労働力である外国からの出稼ぎ労働者に新しいクラスターが発見されてから、デベロッパー各社の間では懸念が生じています。
▼2019年GDP成長率への各産業の寄与度(出所:マレーシア統計局よりPropertyAccess作成)
ほとんどのデベロッパーがすでにプロジェクト遅延による損失に頭をかかえる中、建設工事を再開すれば、労働者たちを感染の危険にさらすことになり、医療コストを増大させる可能性があるという見方をしているデベロッパーが多いようです。
イスマイル上級相は、工事の再開が可能であるにもかかわらず、閉鎖を続ける建設業者が多いことについて、公衆衛生当局の定める保健に関する標準作業手順を守ることができなかったか、標準作業手順が厳しすぎると考えている会社が多いことを示しているのではないかとも話しています。
(出所:Malay Mail)
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