[フィリピン] 投資家、メガワールドREITのデビューを歓迎

2021/10/05


メガワールドの不動産投資ファンド(MREIT)が2021年10月1日、無事に市場デビューを飾りました。Covid-19規制の緩和も加わり、投資家たちは、不動産大手メガワールドのREIT上場に期待を寄せているとアナリストは語っています。


MREITのフィリピン証券取引所での終値は16.70ペソ(約36.6円)/株となり、IPO価格16.1ペソ(約35.3円)から3.73%増となりました。



一日のうちの高値は17.16ペソ(約37.6円)にまで達し、IPO価格の6.58%増になりました。



フィルストック・ファイナンシャルの、エクイティアナリスト、クレア・アルヴィアル氏は、MREITは、今までのREIT上場の中で「最も良いパフォーマンス」を見せたと述べています。



「最高価格22ペソ(約48.2円)から、割引後の最終提示価格16.1ペソ(約35.3円)になったことで、多くの投資家がMREITを購入しました。さらに、2022年、2023年の予想配当利回りが5.65%、6.09%と競争力が高いのも、それを後押ししました。」



「また、スポンサーであるメガワールドがMREITにさらなる資産を注入しようとしている計画もまた前向きな投資家心理に働きました。会社の配当可能所得を増加させることにつながる可能性があるからです。」



上場セレモニーに際し、メガワールドのチーフ戦略オフィサーかつMREITの社長兼CEOであるケヴィン・タン氏は、2023年までにプレミア・タウンシップ開発「アップタウン・ボニファシオ」にあるオフィス・商業資産で、MREITのポートフォリオを拡充する計画を明かしました。



現在、アップタウン・ボニファシオには、331,300平米近くの完成済みオフィス・商業プロジェクトがあります。さらに、今後3年間で、約70,000平米のプライムオフィススペースが完成予定です。



タン氏は、「これらのプライムオフィス・商業資産が、MREITに注入される可能性を持っています。BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)は、国内の主要ビジネス地区でも最も高いオフィス賃料を誇っており、これらの資産がMREITのポートフォリオを大きくするばかりでなく、賃料収入を高めて、投資家向けの分配利回りを増加させることになるでしょう。」とコメントしています。



MREITの当初のポートフォリオは、イーストウッド・シティ、マッキンリーヒル、イロイロ・ビジネスパーク内の10棟のプライムオフィスビル、総面積224,431平米で構成されています。



アルヴィアル氏は、MREITの上場はいいタイミングだった、と言います。というのも、政府がCovid-19関連の規制の緩和を、特にメトロマニラにおいて、始めた矢先だったからです。



2021年10月15日まで、メトロマニラはGCQ(一般的なコミュニティ隔離措置)アラートレベル4が適用され、収容定員は限定的ですが、より多くのセクターが営業を認められます。



(出所:CNN Philippines