[フィリピン]運輸省:メトロマニラ地下鉄進捗30%、工事着々

2022/04/28


フィリピン運輸省(DOTr)ティモシー・ジョン・バタン次官は、メトロマニラ地下鉄プロジェクト(MMSP)の進捗率が2022年2月時点で30.55%を達成した、と発表しました。



昨年11月時点では、25.09%でした。



「Covid-19パンデミックの影響もありましたが、すべての困難にもかかわらず大きなマイルストーンが次々と達成されました。」とバタン次官は、MMSPのバレンスエラ市の車庫の検査の際に述べています。



バタン次官によると、MMSPの部分開業に必要なトンネルリング6,400のうち、576の工事が完了しており、ブラカン州のノルザガライにある7.5ヘクタールのMMSPの加工ヤードでは、さらなるリングの製造が進んでいます。



DOTrは、本プロジェクトの通行権の取得の一環として、324もの不動産オーナーから、197,000平米の土地と585の構築物を取得しています。



これにもかかわらず、バレンシア市政府の支援のおかげで、プロジェクトの影響を受ける、183の非正規市街地の世帯の強制退去・移動はなかったということです。



2020年12月、国防省ーフィリピン国軍(DND-AFP)と締結した通行権契約を通じて、MMSPはDND-AFPの土地50,000平米に加えて、追加でトンネル掘削工事のための60,000平米、さらに一時的な工事用に55,000平米を利用することになっています。



「ロレンザナ国防大臣とトゥガデ運輸大臣のリーダーシップのもとで形成されたこのDND-AFPとDOTrとの連携により、DOTrにとって地下鉄に必要な工事や工事用地へのアクセスが容易になるだけでなく、DNDとAFPに公正かつ定期的なリソーセスを与えることにもなります。」とバタン次官は述べています。



2021年2月、プロジェクトに使用される25基のトンネル掘削機のうち最初の2基が到着、MMSPの鉄道システム660億ペソの工事は、2021年10月に三菱商事が受注しました。




また、使用される240両の地下鉄270億ペソの契約は、2020年12月に住友商事とJ-Trecの合弁会社が受注しています。



MMSPは国内初の地下鉄システムとなり、マニラ首都圏(NCR)のバレンスエラ市からタギッグ市のFTI、パラニャケ市、そしてパサイ市のニノイ・アキノ国際空港(NAIA)ターミナル3まで、マストランジットシステムを提供し、さらにはNCRの南北に延伸されることになっています。



17の駅*が建設される予定で、うち2駅は南北通勤電車(North-South Commuter Railway)が乗り入れます。MMSPは、ケソン市からNAIAまでの所要時間を1時間10分からたった35分に短縮することが期待されています。


*East Valenzuela(イースト・バレンスエラ)
Quirino Highway(キリノ・ハイウェイ)
Tandang Sora(タンダン・ソラ)
North Avenue(ノース・アベニュー)
Quezon Avenue(ケソン・アベニュー)
East Avenue(イースト・アベニュー)
Anonas(アノナス)
Camp Aguinaldo(キャンプ・アギナルド)
Ortigas(オルティガス)
Shaw(ショー)
Kalayaan(カラヤーン)
BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)
Lawton(ロートン)
Senate(セネイト)
FTI(フード・ターミナル公社)
Bicutan(ビクタン)
NAIA Terminal 3(NAIAターミナル3).



▼マニラ地下鉄プロジェクト地図(出所:三菱商事




(出所:Philippines News Agency, Manila Bulletin

(画像:Photo by Joel Barwick on Unsplash