[フィリピン] メトロバンク:2021年景気回復5~6%

2021/07/27

[フィリピン] メトロバンク:2021年景気回復5~6%


メトロバンクグループの投資銀行部門は、フィリピン経済が2020年の-9.6%から逆転し、2021年末までに5~6%成長し、回復を遂げるだろうと予想しています。


ファースト・メトロ・インベストメント・コーポレーション(First Metro Investment Corporation (FMIC) )は、世界経済の回復が進み、ワクチン接種が加速し、持続的な財政・金融支援策や政府のインフラプロジェクトの後押しなどが、今年の成長を推し進めると見込んでいます。


「私たちの頼みの綱であり、回復力のある、海外で働くフィリピン人労働者(OFW)からの送金が今年4月には13%増加し、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスもさらに伸びると見られています。雇用も回復してきていますし、より多くの人がワクチン接種を受けることで、消費者の信頼感も改善すると見られています。」と、FMICのプレジデント、ホセ・パトリシオ・ドゥムラオ氏は述べています。


ドゥムラオ氏は、来年の選挙もまた成長を支えると見ています。


「国が回復の道をたどっていることを思わせる前向きな兆しや理由が多くあります。しかし、油断はなりません。いまなお、私たちの成長見通しの最大のリスクとして、パンデミックの先行きが不透明なことがあります。引き続き注意して、ウイルス拡大を封じ込めるために自分たちができることをやっていくべきです。」


アジア太平洋大学のエコノミスト、ビクター・アボラ博士は、FMICの今年の成長見通しは、政府の成長目標幅である6~7%を追う形になっていると言います。


アボラ博士は、工業部門が今年、昨年の-13.2%から13.5%にまで回復する見込みであることが、国全体の国内総生産(GDP)を押し上げることになるだろうと述べています。


政府は、景気回復の起爆剤にしようと、公共工事を加速させています。


アボラ博士は、製造部門の回復、輸出や資本財の輸入を受けて、第2四半期から成長率は改善してくると楽観的な見方を示しています。


サービス部門については、昨年の-9.2%から回復するも、今年は3%程度の成長率にとどまると加えています。


FMICは、2021年1月、持続的な政府支出とワクチンの展開を受けて、成長見通しを5.5%~6.5%とおいていました。


アボラ博士は、今年の成長見通しがやや下方修正された理由について、コロナ感染者数が再増加したことにより第1四半期の数字がマイナスであったことを挙げています。


フィリピン経済は、2021年1月~3月で、緩やかなペースで4.2%縮小しましたが、続く数四半期で回復方向に向かうことが予測されています。


(出所:Philippines News Agency

(画像:Photo by JC Gellidon on Unsplash )