2021/02/12
[フィリピン] メトロマニラのオフィス賃料30%減予測
ロビエン・リアルティ・グループ(LRG)は、長引く隔離措置と景気低迷により、メトロマニラのオフィス賃料が30%も下落する可能性があると見ています。
同社の声明によると、今年オフィスの賃料が25~30%ほど下がることを予想しています。
同社は、「多くのビジネスを縮小、閉鎖に追い込んだロックダウン、POGO(オンラインカジノ業者)のフィリピン離れ、そしてコロナウイルスパンデミックの結果としての2021年の景気状況が、オフィススペースの空室率を押し上げ、2021年のオフィス需要を軟化させそうだ」と述べています。
2020年のオフィス賃料には、POGOのフィリピン離れがあったものの、契約上の合意により、下落があまり反映されませんでした。というのも、通常は、保証金やデポジットを一年分前払いしているからです。
2021年1月中旬に行った会見で、LRGのシーラ・G・ロビエンCEOは、オフィススペースの需要軟化により、今後数か月は、メトロマニラの平均オフィス賃料は低迷した状態が続くだろうと述べています。
「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業界がすぐに復活、拡大し、コロナワクチンが市場に展開されない限りは、この状態が続くだろう」とも述べています。
ロビエン氏によると、今後3年間で、300万平米のオフィススペースがメトロマニラのオフィス在庫に加わる予定です。この多くが、マカティ(578,000平米)で、続いてパシグ(508,000平米)、ケソンシティ(506,000平米)となっています。
市場が弱含みな今を狙って、特に資金に余裕がある投資家は、不動産を購入しているようです。一方で、マカティ、タギッグ、パシグ、マンダルヨン、ケソンシティ、アラバン、ベイシティの賃料が下落していることに触れ、多くの家主が、テナントに残ってもらうために積極的な話し合いをしてフレキシブルに賃料を調整しているとも話しています。
マカティシティのグレードA、グレードB、タギッグシティのプライム、グレードA、ベイシティで、2020年第4四半期、平均賃料が減少しました。
一方で、LRGは、コンドミニアムデベロッパーによるコンドミニアムの発売が今年24,000平米ほど、成約面積は36,000平米ほどを予想しています。
2020年のプレセールのデータによると、700万ペソ~1,500万ペソ(約1,527万円~3,271万円)の価格帯のコンドミニアムユニットの成約率が45%、1,500万ペソ超のユニットでは41%だったとのことです。
同社のデータによると、メトロマニラの主要エリアのレジデンシャル不動産は、現在以下のような価格がついています。
地区 | 現在の価格(PHP/㎡) |
マカティCBD | 350,000 – 1,000,000 |
ボニファシオ・グローバル・シティ | 300,000 – 350,000 |
オルティガスセンター | 250,000 – 280,000 |
モンティンルパ/アラバン | 120,000 – 140,000 |
ベイシティ | 230,000 – 280,000 |
LRGは、今後数か月で展開される予定のコロナウィルスのワクチンへの期待から、今年は去年より不動産市場にとって良い年になるのではないかと考えています。
LRGは、「不動産市場の回復スピードとその規模は、政府のワクチン展開と金融・財政政策を通じた景気回復の能力にかかっている」と述べています。
(出所:Business World Online、Lobien Realty Group)
(トップ画像:Photo by Aeron Oracion on Unsplash )
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