[フィリピン] ムーディーズ、BSPが今週にも50ポイント利上げを予測

2022/09/20


格付け会社ムーディーズの子会社「ムーディーズ・アナリティクス」は、フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP))が、需要圧力を考慮して、木曜日の金融政策決定会合で50ベーシスポイントの利上げを行うと予測しています。



今週発表されたレポートで、ムーディーズ・アナリティクスは、今週のアジアの主要なニュースを飾るのは、BSP、日本銀行、インドネシア銀行のレート決定会議となりそうだと述べています。



食料と原油価格が落ち着いてきて、価格上昇率の高騰がやや減速したものの、「政策立案者の動きに注目が集まっている」と説明しています。



「供給サイドの圧力が消えてくるにつれて、中央銀行は次の動きを決めるにあたって需要圧力に重きを置いてくるでしょう。」



フィリピンのインフレ率は、7月に2018年10月以来の最高値6.4%を記録したあと、8月は6.3%と5カ月連続の上昇から減速しました。



中央銀行はインフレ率の目標幅を2~4%と置いていましたが、4月に4.9%を記録して以来、目標幅を超えた状態が続いています。背景には、国際市場における石油価格の上昇と、国内市場における肉製品の供給側の問題があります。



これまでの平均インフレ率は4.9%です。



BSPのフェリペ・メダーリャ総裁は、月次のインフレ予想は10月か11月にピークを迎えるだろうと述べています。



ムーディーズ・アナリティクスは、金融政策決定会合がBSPの主要金利を9月22日までにあと50ベーシスポイント上げてくると予測しています。



「8月に総合インフレ率はやや落ち着きましたが、コアインフレ率は、前年同期比で4.6%に上昇しました。力強いGDP成長率は、改善する国内需要の結果であり、BSPが金融政策を引き締める余裕を与えてくれるでしょう。」とレポートに書かれています。



コアインフレ率とは、変動幅の大きい石油と食料価格を除いたもので、8月にはその前の月の3.9%から4.6%へと急激に上昇しました。これにより今年に入ってからの平均は2.9%となりました。



5月以降、BSPの主要金利は合計で175ベーシスポイント上がっています。BSPは、国内経済が継続的に回復していることで、利上げの影響に対応するだけの余裕が経済にはあると述べています。




(出所:Philippines News Agency

(画像:UnsplashのTowfiqu barbhuiyaが撮影した写真)