2021/10/25
パンデミックが始まった去年からロックダウンが何度か実施されたフィリピンでは、若者の間でマイホームを検討する若者が増えてきているようです。このような若者の多くに、環境に優しい機能や特徴を持った家を探す傾向が見られているようです。
これは、2021年11月12日~13日に行われる「アフォーダブル・ハウジング・サミット」に先駆けて行われた会見の中で、フィリピン低コスト住宅デベロッパー協会(Organization of Socialized and Economic Housing Developers of the Philippines (OSHDP) )の加盟企業が明かしたものです。サミットは、金融リテラシーの擁護団体であるザ・グローバル・フィリピーノ・インベスターズ(TGFI)との提携で開催されます。
インペリアル・ホームズ(Imperial Homes)グループの社長兼CEO、エマ・インペリアル氏は、「私たちのバイヤーの約78%はミレニアル世代です。その多くが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング企業)で働いています。夜間に勤務する人が多いです。」と話しています。
住宅に興味があるだけでなく、これらの若者は「サスティナブル」な住宅オプションを求めているようだとインペリアル氏は述べています。
「以前は、ミレニアル世代は住宅には投資しませんでした。車だとかモバイル機器だとかに投資する傾向がありました。しかし、パンデミックによって、全てが変わりました。彼らは今在宅勤務をしていますので、真剣に考え始めたわけです。彼らにとって何が重要なのかを発信し、気候変動が起こりつつあることを信じています。それが、当社の購入履歴にもあらわれています。」
エコベルデ・ホームズ(Ecoverde Homes)のジノ・オリバレス氏は、OSHDPの会長でもあります。オリバレス氏は、マイホームへの関心の高まりは、2020年3月の厳しいロックダウン、多くの若者が両親と同居する家に籠らなくてはならなくなった時期に始まったと言います。
「それ以降、多くの問い合わせが寄せられています。最も若い人で19歳もいました。高校を卒業してBPOで働いており、すでに家を買いたいというのです。」
デュラヴィル・グループ(Duraville Group of Companies)のジェファーソン・ボンガット氏も、TGFIとの提携は、若者だけでなく、自己資金をどのように投資するかについて、一般大衆の啓蒙活動に役立ったと述べています。
ジェファーソン氏は、独身者も含めた若者は、住宅購入を検討する時期が早まっていると同意しています。
OSHDPの関係者は、将来、金利があがっても、低コスト住宅の値ごろ感には影響を与えることはないと楽観的な見方を示しています。
「アフォーダブル住宅ということで、購入者の約90%はPag-Ibig(住宅開発投資信託)から、低コスト住宅用の3%の固定金利で融資を受けています。基本的に補助を受けている状態なのです。したがって、あまり心配はしていません。」とオリバレス氏は述べています。
集合住宅のベテラン、ジャヌアリオ・ヘスス・アテンシオ氏は、オリバレス財閥のオヴィアランド社に投資をしています。ジャヌアリオ氏は、「住宅ローンの需要に金利の動きが与える影響について回帰を行いました。その関係性は統計的にかなり大きいです。金利の上昇は、ローン、特にMDMF(住宅ローン積立金)の利用可能性を減らします。利用者の水準も見てみましたが、新しいローンとの関係はプラスです。したがって、金利が上がるとローンの利用可能性は減りますが、HDMFの利用者を同時に増やせば、何とかなるのです。」
グリーン技術について、ベース・バハイ基金のパブロ・ホリーロ氏は、竹などの再生可能資材を利用を含む、住宅開発におけるグリーン技術を検討する組織がどんどん増えていると言います。エネルギー消費の少ない資源を利用することで、このような技術がCO2の排出を削減し、気候変動を軽減することに役立つのだと話しています。
このように、気候変動の取り組みは、低コスト住宅デベロッパーにまで浸透しており、国民の意識も高まっています。
今回開催される「アフォーダブル住宅サミット2021」には5,000人が参加すると推定されています。不動産業界から30以上のリーダーや専門家が登壇し、マイホーム購入に関するアドバイスやイノベーション、実用的な戦略を伝授してくれることになっています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:Image by Tumisu from Pixabay )
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