2020/02/13
[マレーシア]高まるサブセール物件需要
iProperty.com.myが発表した2019ポータル・デマンド・アナリティクス(2019 Portal Demand Analytics)によると、テラスハウス、コンドミニアム、サービスレジデンスなどのサブセール物件がより多くの注目を集めています。
通常の10%よりも高い前金や改装費用がかかるという点はあるものの、サブセール物件の購入には多くの利点があります。その一つに、市場や成熟した地域においてすぐに利用できる物件が手入るということが挙げられます。時には所有者が売却を急いでいたり、物件状態が比較的望ましくないなどの理由でサブセール物件は市場価格よりも安価で売り出されています。ただし、後者の場合は、リノベーションにお金をかける必要が出てきます。
iProperty.com.myを運営するREAグループアジア社(REA Group Asia)カスタマーデータソリューション ジェネラル・マネージャーのプレメンドラン・パスマナサン氏は、オンライン物件掲載サイトへのビジター数は、これら3タイプの掲載物件数よりも急速に増え続けていると述べました。
この結果、マレーシア国内のサブセール物件に対する需要は前年比で13.3%増加しました。需要の大半はコンドミニアムとサービスレジデンスが占めており、これは不動産価格上昇の若干の落ち込みによるものと見られます。
市場におけるサブセール物件取引の50%以上を占めるテラスハウスに関しては、2019年に9%の需要の増加が見られました。パスマナサン氏によると、マレーシアの人気住宅市場四州(クアラルンプール、セランゴール、ペナン、ジョホール)のうち、掲載物件の減少が見られたクアラルンプール以外のすべての州で掲載物件が増加したということです。
「唯一、ジョホールでは掲載物件数の増加ペースがビジター数の増加を上回っています。」
これら3つの物件タイプのうち、テラスハウス物件は2019年、前年比3.16%の価格上昇率を記録し、キャピタルゲインにおいてトップへと躍り出ました。
2019年上半期に最も高い需要増加率を記録したサービスレジデンスにおいては、前年比17.3%の需要増加を見せ、一位の座を維持しつつ年を納めました。
コンドミニアムは2019年上半期の成長率-5.9%に対し、14.2%と回復を記録。パスマナサン氏は下半期の掲載物件数の減少が要因の一部と考え、「この物件タイプは2019年に-2.02%という最も低い価格上昇率を記録した。」と述べました。
州ごとのパフォーマンス
パスマナサン氏は国内の主要都市における不動産価格はゆっくりと収束しており、より手頃な価格の第二層都市においては徐々に不動産価値が上昇してきていると述べます。「例えば、20万リンギット(約531万1,380円)の程度の手頃な価格で不動産が取引されるスレンバンは、交通アクセスやクランバレーにほど近い立地という要素の相乗効果で大きな魅力を生み出し、9.91%という高い価格上昇率に寄与しました。」
第一位の座は引き続き、需要増加率前年比24.72%というコタキナバルが占め、2019年には掲載物件の増加に対しコタキナバルを検討するユーザーが急速なペースで増加したとパスマナサン氏は述べます。
プタリン・ジャヤは22.13%で二位につけた一方で、マラッカの掲載物件数は倍増し、需要増減率はマイナスで-5.3%となりました。掲載物件の急増は短期レンタルを目的として建設されたコンドミニアムが原因であるとパスマナサン氏は説明します。
要約すると、クアラルンプールは需要が改善し、2019年の不動産価格1.61%下落の影響で2019上半期ポータル・ディマンド・アナリティクスの中間価格54万リンギット(約1,434万4,916円)よりは低いものの、2019年通期での中間価格は引き続き国内最高の51万6千リンギット(約1,370万7,364円)で19.8%の成長を記録しました。
セランゴールは対照的に、22.4%需要が増加、掲載物件数は変化しませんでした。
パスマナサン氏はセランゴールにおいては多くのユーザーがテラスハウス物件を閲覧していたと明かします。
ペナンも2019上半期ポータル・ディマンド・アナリティクスでは-4.4%という失望的であった需要増減率が10.6%まで急増するという回復を見ました。この前向きな変化は数十億リンギットプロジェクト、ペナン州交通マスタープラン(PTMP)の一部として州政府の承認を受けたペナン南部埋立計画によりもたらされたのでは、とパスマナサン氏は見ています。
ジョホールにおいては、年終わりにかけて住宅不動産の景観が低迷しました。「ジョホールは2019年に需要がマイナス成長を示した唯一の主要州でした。需要増減率が-12.2%という下向きの傾向が続いています。しかし2019年上半期の需要増減率が更に低い-16.6%であったところを見ると、徐々に回復へと向かっているのがわかります。この残念なパフォーマンスは物件の過剰供給によるものと思われます。対象期間中に多数の新築物件の所有者が新規物件の引渡しを受けた結果、掲載物件の流入がありました。」
(出所:New Straits Times)
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