2020/12/10
[ベトナム] 建設工事の手続きに求められるさらなる改革
ベトナム商工会議所(VCCI)、建設省、およびフリードリヒ・ナウマン財団が2020年11月末に主催した会議で、建設工事関連の事務手続きにおいて、より抜本的な改革を行うことで、透明性を向上させ企業に対するコストを削減すべきである、と言う声が上がりました。
VCCIのホアン・クアン・フォン副会長は、建設工事を行う企業は、事務手続き上の数多くの困難に直面していると明かしています。
事務手続きは、方針の承認から土地の引渡し、土地の障害物撤去から建設工事の進捗まで、異なるレベルの州管理当局により行われることになっています。
建設関連の事務手続きには、重複や矛盾があり、無駄に時間がかかるだけでなく企業のコストも押し上げているとフォン副会長は指摘しています。
VCCIが10,000社の企業(82%が民間企業、18%が外国資本企業)を対象に行った調査によると、民間企業は、建設工事関連の事務手続きの面では、外国直接投資(FDI)企業と比べるとあまり経験がないことが分かっており、外国投資を誘致するために、FDI企業に対して優遇的な措置を取っている場所が多いことを示しています。
VCCI法務部長のドー・アイン・トゥアン氏は、建設工事の検査が企業の負担になっていると言います。管理当局が行う検査について、調査では38.2%の企業が検査の重複や検査官がつける注文に満足していないようです。
トゥアン部長は、異なる行政レベルの検査官は連携して、検査の重複を防ぎ、検査の透明性を改善する必要性を指摘しています。
建設業界の検査は、リスクに基づくアプローチに基づいて行われるべきだとも付け加えています。リスクに基づく検査は時間の節約になるだけでなくコスト削減にもつながると言います。
同レポートは、零細・小企業が、建設関連の事務手続きにおいて、最も困難に直面していることも指摘しています。加えて、調査対象企業の内23%は、事務手続きが決められた規制に則って時間通りに処理されているとは思えない、と回答しています。
調査はまた、建設許可を申請するにあたって、非公式な料金体系もまた企業の負担になっていることも明らかにしており、建設許可を得るまでの期間は短縮化されるべきだと付け加えています。調査対象企業のうち約25%が、建設工事関連の事務手続きを実施するにあたって、必要な説明・指示に完全にアクセスできなかったと答えており、事務手続きの透明性を顕在化させています。
トゥアン部長は、建設関連セクターの法的な枠組みを見直して、企業の時間とコストの節約のための改正を行うべきだと述べています。
非公式な料金体系をなくすためには、オンラインの公共サービスを提供しキャッシュレスで支払ができるようにすることも重要であると、トゥアン部長は指摘しています。
さらに、建設関連手続きの受理・処理にかかる透明性の向上と、事務手続きへのITの活用もまた重要であると述べています。
(出所:Vietnam News Agency)
(トップ画像:Photo by Peter Nguyen on Unsplash)
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