2022/03/07
2022年3月3日、マレーシア中央銀行(BankNegara Malaysia)の金融政策委員会(MPC)は、翌日物の政策金利を1.75%で据え置きました。
▼マレーシア政策金利の推移(出所:Trading Economics)
中央銀行は、その声明の中で、「今後、世界需要の拡大と民間セクターの支出増にけん引され、労働市場の改善や対象を絞った政策支援を行っていく中で、2022年の成長回復はますます力強いものになるだろう」と述べています。
さらに、中央銀行は、増加するCovid-19の感染者数の経済に与える影響は、さほど深刻ではないと予想しています。厳しい行動制限が課されていないからです。しかし、成長の見通しにはダウンサイドリスクが伴うことも認めています。世界の成長率が伸び悩んでいることに加え、地政学的な紛争、サプライチェーンの混乱悪化、そしてパンデミック関連の状況変化など、国内外の要因が絡んでいます。
2022年の実勢インフレ率は、穏やかに推移するとみられています。燃料価格のインフレによるベース効果が消散しているからです。一方で、コアインフレ率は、投入原価高の環境で経済活動が活発化しているため、長期平均あたりで落ち着くと見られています。
中央銀行は、インフレの見通しは、長引く供給関連の混乱によるリスクもあり、世界の商品価格の先行き次第だと述べています。
金融政策委員会は、現在の金融政策のスタンスを、適切かつ緩和的だと判断しているようです。
「財政および金融政策は、今後も経済活動への支援を続けていきます。不確定性が残る中、金融政策のスタンスは、国内のインフレおよび経済成長の全体的な見通しに関する新しいデータとそこから予期されるものに基づいて決めていくことになるでしょう。」
一方で、OCBC銀行の財務調査部門は、中央銀行の利上げは、今年第3四半期頃になるだろうと予想しています。
「上げるとしても、おそらく25ポイント程度でしょう。実際の価格にかかる圧力への反応というよりは、インフレの可能性に慎重な配慮をしている具体的な合図と言えるでしょう。」とOCBCは述べています。
(出所:The Sun Daily)
(画像:Photo by Marc Wieland on Unsplash )
もっと詳しく知りたい方はこちら