[マレーシア] NAPIC不動産市場レポート2021

2022/04/20



国家不動産情報センター(NAPIC)によると、2021年のマレーシアの不動産市場は、前年比で改善しましたが、取引数は依然としてパンデミック前の2019年のレベルを下回りました。



2021年の取引件数は300,497件で、取引額は1,448.7億リンギットでした。取引件数は1.5%、取引額は21.7%、前年から増加しました。2020年は、取引件数295,968件、取引額1,190.8億リンギットでした。



取引件数では、2019年の328,647件には8.57%及びませんでしたが、2021年の取引額は2019年の1,410.8億リンギットを2.69%上回りました。




2022年について、NAPICは不動産市場の環境は「依然として厳しい」とするものの、Covid-19のエンデミック段階への移行により国境の再開や行動制限の緩和により国内の経済活動の活発化が期待されることを背景に、改善の動きが見られるとも述べています。



経済が軌道に戻るにつれ、不動産市場の業績も同じような軌跡をたどると期待されています。緩和的な政策、継続する政府の支援、2022年予算で描かれた措置がしっかりと実施され、第12回マレーシア計画にもとづく戦略や取り組みが行われることで、不動産業界の成長が後押しされると見られています。



一方で、オーバーハング状態のレジデンシャル物件の状況は改悪となりました。物件数は、前年から24.7%増加して37,000戸、総額では20.5%増加して227.9億リンギットとなりました。




オーバーハングの戸数、金額ともに最大を記録したのはスランゴールで、6,095戸、52.8億リンギット相当でした。戸数では国内全体の16.5%、金額では23.2%を占めます。続いて、ジョホール(6,089戸、47.2億リンギット)、ペナン島(5,493戸、35.6億リンギット)、クアラルンプール(3,908戸、31.7億リンギット)でした。



レジデンシャル不動産では、2021年、198,812件の取引、769億リンギット相当を記録しました。取引件数では3.9%、取引額では16.7%、前年を上回りました。




一方で、商業不動産では、2021年に22,428件の取引、279.4億リンギット相当が行われました。取引件数では10.7%、取引額では43.1%、2020年から増加しました。




全体として、レジデンシャル、商業、工業不動産の取引件数が多く、それぞれ前年から3.9%、10.7%、17.6%増加しました。農業不動産、開発用地は、それぞれ7.5%と7.4%減少しました。




取引額が増加したのは、レジデンシャル(16.7%)、商業(43.1%)、工業(32.9%)、開発用地(33.2%)でした。一方で、農業用地の取引額は、前年から5.1%減少しました。




(出所:The Edge)

(画像:Photo by IA SB on Unsplash)