2021/09/27
2021年上半期のマレーシア不動産市場は、620.1億リンギット相当139,754件の取引があり、前年同期比で取引件数は21%、取引額は32.1%上昇しました。
財務省の国家不動産情報センター(NAPIC)が発表した2021年上半期のマレーシア不動産市場レポートによると、すべてのサブセクタ―において、取引数の増加が見られました。
各サブセクタ―の前年同期比の増加率は以下の通りです。
取引数増加率 | 取引額増加率 | |
レジデンシャル: | 22.2% | 34.7% |
商業: | 28.5% | 28.4% |
工業: | 29.4% | 19.8% |
農業: | 13.9% | 33.1% |
開発地: | 21.3% | 40.6% |
レジデンシャル不動産について、レポートによると、92,017件の取引、総額345.1億リンギットが2021年上半期にあり、前年同期比で22.2%、取引額は34.7%成長しました。
プライマリー市場では、16,660戸が販売開始され、2020年上半期の25,227件からは34%減となりました。一方で、21,951戸の販売開始があった2020年下半期と比較すると24.1%減でした。
新規発売物件の販売率は24.7%と、2020年上半期の12.9%から改善しました。
「販売実績の改善は、持家キャンペーン(Home Ownership Campaign)や低いOPR(翌日物政策金利)といったインセンティブなど政府の施策が効いたのだろう」と述べています。
レジデンシャル不動産のオーバーハング状況は穏やかに増加し、オーバーハング状態のユニットは31,112戸、総額200.9億リンギットとなり、前期比で物件数は5.2%、総額では6.2%増加しました。
マレーシア住宅価格インデックス(MHPI)は、2021年第2四半期、2018年から続いたゆるやかな成長曲線から一転して、前代未聞のネガティブ成長を見せました。
MHPIは197.9ポイントとなり、前年同期比で1.2%下落、一方で前期比では1.6%下落でした。
商業不動産については、総額109.3億リンギットの取引10,433件がありました。こちらは、前年同期比で取引件数は28.5%増、取引額は28.4%増でした。
プトラジャヤとパハンを除く、すべての州で市場活動の増加が見られました。スランゴール州の市場活動が最も活発で、取引件数では全体の26.3%にあたる2,741件、取引額は30.8%にあたる33.7億リンギットでした。
ショッピングコンプレックスの実績も穏やかに推移し、全体の稼働率は2020年上半期の78.6%からやや下がって76.6%となりました。
クアラルンプールとスランゴールは最も高い稼働率を誇り、それぞれ81.6%と78.8%、一方でジョホールは73.4%、ペナンは72.2%でした。
2021年上半期に竣工したのは、シャーアラムのセティア・シティモールの拡張部のみで、21,363平米が加わり、国全体のショッピングコンプレックスの総スペースは1,693万平米となりました。
今後の供給予定には、47軒のコンプレックス、194万平米が控えており、さらには計画段階のものが10軒(34万平米)あります。
レポートでは、「政府の取り組みや支援の実施に支えられ、景気回復が徐々に進むにつれて、不動産市場は回復の途につくでしょう。」と述べられています。
(出所:The Edge Markets)
(画像:Photo by Saif Zaman ( আয়ান ) on Unsplash )
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