[ベトナム] 2020年さらなる金融緩和の見込み

ベトナム国立銀行は、経済成長の見通しが芳しくない中、今年のGDP成長率目標5%超を達成するために、さらなる金融緩和政策をとるとみられています。

[ベトナム] 2020年さらなる金融緩和の見込み


ベトナム国立銀行は、経済成長の見通しが芳しくない中、今年のGDP成長率目標5%超を達成するために、さらなる金融緩和政策をとるとみられています。


格付会社フィッチ・ソリューションズは、2020年末までにさらに50ベーシスポイント金利が引き下げられ、貸付基準利率(リファイナンスレート)が4.0%、基準割引率(ディスカウントレート)が2.5%となるのではないかと予想しています。


ベトナム国立銀行は、2020年5月12日にベンチマーク金利を50ベーシスポイント引き下げました。それにともない、5月13日付で、貸付基準利率は5.0%→4.5%、基準割引率は3.5%→3.0%、銀行間翌日物金利は6.0%→5.5%となっています。


▼2020年に入ってからのベトナムの政策金利


フィッチは、2020年成長見通しの低迷は、さらなる金融緩和政策を誘発するのではないかとみています。フィッチは、ベトナムの実質GDP成長率は2019年の7.0%から、今年は2.8%へとペースダウンすると予想しています。背景として、世界経済の悪化による外需の不振が、ベトナムの製造業の回復を妨げること、また感染への恐れから、飛行機を利用した海外旅行を控える傾向が続くことで、観光業が大きな打撃を受けることが挙げられています。


一方で、ベトナムの成長率予測には上振れリスクもあります。というのも、中国からベトナムへの生産拠点の移転を検討する企業が増えているのに加えて、年初4か月で行った迅速かつ厳しい新型コロナウィルス(Covid-19)封じ込め策が功を奏して、活動制限が解除され、経済が徐々に再開されてきているからです。


フィッチは、世界経済が減速する中、ベトナム政府の2020年の実質GDP成長率目標5%超は、野心的すぎるとするものの、ベトナム国立銀行が今後数か月で、ベンチマーク金利の引き下げやマクロプルーデンス政策といった形で、政府の成長目標達成をサポートするために、金融緩和サイクルを継続するのではないかとみています。


さらにフィッチは、政府の2020年のインフレ目標4.0%よりも低い水準にある、現在の対処可能なインフレ率もまた、さらなる金融緩和を促すのではないかと述べています。


「2020年のインフレ率は、2020年1月~4月の前年同期比4.9%から下がって、平均3.8%程度を予想しています。現在の世界的な過剰供給から燃料価格が抑えられて、輸送価格のデフレが起こり、内需の低迷からコアインフレ率も下がることで、2019年末にかけて豚の大量殺処分につながり、肉価格を急騰させた、アフリカ豚コレラによる食料価格の暴騰と部分的にオフセットされると考えています。」


フィッチはさらなる金融緩和を予想する一方で、今一番の問題は、世界経済に与えたCovid-19ショックによる経済の先行き不安から、銀行借り入れ需要と投資意欲の不振だとの見方を維持しています。

(出所:Vietnam News

(トップ画像:Photo by Niels Steeman on Unsplash )