[フィリピン] マニラ首都圏の建設資材価格上昇5月も続く

2022/08/29


輸入コストの上昇と経済の再開にけん引され、メトロマニラの建設資材の小売価格の上昇は5月も続き、過去13年以上で最も高いレベルに到達しました。



フィリピン統計局の速報値によると、マニラ首都圏(NCR)の建設資材小売価格インデックス(CMRPI)は、5月に前年同月比で6.2%増加しました。4月は6.1%増、1年前は1.2%でした。



今回の6.2%増は、2009年1月に報告された7.4%以来の、メトロマニラの建設資材価格としては最高値です。また、2009年2月の建設資材小売価格上昇率に匹敵するレベルです。



マニラ首都圏の1月から5月の期間におけるCMRPIは4.7%となりました。1年前は1.2%でした。



セキュリティ・バンク社のチーフエコノミスト、ロバート・ダン・J.ローセス氏は、5月の上昇率は建設資材の輸入コストに起因するものだと説明しています。輸入建設資材の価格は、サプライチェーンの問題で上がっており、さらに経済の再開もインフレの圧力に拍車をかけています。



世界的な石油価格と商品価格は、ロシアがウクライナに侵攻した2月以前からすでに上がり始めていました。侵攻により、石油価格が1バレルあたり100ドルを超えました。



もう一つの要因は、中国のコロナ封じ込め策です。世界一忙しいと言われる上海港が混雑しています。中国のコロナ対策により、経済は打撃を受けています。



メトロマニラおよびフィリピンその他の地域は、3月から最も緩い隔離措置であるアラートレベル1となっています。



5月に上昇した建設資材の小売価格成長率を引っ張ったのは、木工関連資材で、5月の価格上昇率は2.1%でした。前月4月は1.5%でした。



他に、小売価格が上昇した資材としては、石工資材(3.3%→3.9%)、塗装資材および関連化合物(3.7%→4.1%)、ブリキ資材(8.1%→8.3%)があります。



配管資材および電気材料の価格上昇率は、前月から横這いで、それぞれ7.9%と4%でした。その他建設資材の価格上昇率は減速して、4月の10.6%から5月は10.2%となりました。



▼建設資材の価格上昇率(2012年を100としたときの変動率)(出所:Business World
左から:すべての資材、ブリキ資材、配管資材、木工資材、その他建設資材、塗装資材および関連化合物、電気材料、石工材料




建設資材の小売価格は、DIYや小規模土建業者を含む、小規模建築プロジェクトの需要を反映しています。



ローセス氏は、今後さらなるロックダウンがないと想定すると、今後も建設活動は回復を続けると考えています。




(出所:Business World Online

(画像:Photo by Mark Potterton on Unsplash)