[タイ]新路線完成でコンドフィーバー:開発穴場はオレンジ、ピンク、イエロー

2020/02/14

[タイ]新路線完成でコンドフィーバー:開発穴場はオレンジ、ピンク、イエロー

オレンジ、ピンク、イエローの3つの新路線付近は、2020年に着手されるコンドミニアム供給の上位5つのホットスポットとなっており、大規模なデベロッパーが市場を席巻しています。


パッタラチャイ・タウィーウォン氏(コリアーズ・インターナショナル・タイランド社 調査部 不動産コンサルタント アソシエイト・ディレクター)は、これらのロケーションは土地価格が都心部よりも低いため、コンドデベロッパーを惹きつけていると言います。

「市場に多くのコンドユニットが売れ残り、気運が芳しくない中、デベロッパーはより手頃なコンドミニアムを提供すべく郊外でのロケーションを探そうとしています。1平方メートルあたり100,000バーツ(約35万1,779円)以下が基準となっています。」

2019年後半のコリアーズ市場調査によると、今年大量の新規コンドミニアム供給が予定される上位5つのロケーションのうち4つーラーマ9世 - ラムカムヘン - ラムサリ(Rama IX-Ramkhamhaeng-Lam Sali)、チャランサニットウォン通り(Charan Sanitwong Road)、ラムイントラ通り(Ram Intra Road)、ラップラオ通り(Lat Phrao Road)において、ユニット価格は1平方メートルあたり100,000バーツ(約35万1,779円)かそれ以下となるということです。

上記のロケーションはチャランサニットウォン以外全て、オレンジ(2023年開通)、ピンク(2021年開通)黄色(2021年開通)の新路線付近に位置しています。

バンコク大衆輸送システム2019(運行路線は単色、建設中路線は白点付き)

By Nord794ub - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=73832287

ラーマ9世ラムカムヘン−ラムサリでは、プルクサ・リアル・エステート社(Pruksa Real Estate)、アナンダ・ディベロップメント社(Ananda Development)、オリジン・プロパティ社(Origin Property)、チェワタイ社(Chewathai)などの大規模プレーヤーによって合計4,000〜5,000ユニットに及ぶ少なくとも6棟の新規コンドミニアムが予定されています。他にもバンコクを拠点とするコンドデベロッパーのパークランド社(Parkland)と中国デベロッパーリスランド社(Risland)の2社があります。

ラムイントラ地域では、オリジン・プロパティ社が主要プレーヤーの一社となり、合計3,000ユニット5棟のコンドミニアムが発売されます。

アナンダ社とプルクサ社はラップラオ通りに位置するイエローライン沿いのロケーションを支配しており、後者は新規コンド事業開始のために、ラップラオ・ソイ48とハッピーランドの両方に少なくとも2区画の土地を所有しています。

「一部のデベロッパーは新しいバンコク都市計画の実施を待っています。ラップラオ通りの地域が解禁され、容積率も増えるので、建築面積の拡大が可能になるためです。」とパッタラチャイ氏は語ります。

チャランサニットウォン通りのロケーションには引き続き新規コンド供給が集中しそうです。通り沿いでタープラからバーンスーへ続くブルーラインの延長では、2020年3月に予定される正式な運行開始まで3ヶ月間の試運転が始まりました。

この通りのビッグプレイヤーにはバーンオー地域でバジェットコンドを発売予定のスパライ社(Supalai)とバーンイーカン地域のチャランサニットウォン・ソイ40付近で300〜400のコンドを発売するLPNディベロップメント社(LPN Development)があります。

2019年から一部のプロジェクトが延期または保留されたトンローは、上位5つのコンドミニアムホットスポットの中で、今年大量の新規供給が始まるプライムエリア、いわゆる都心部唯一のロケーションとなります。

パッタラチャイ氏によれば、6社のデベロッパーにより少なくとも7件のプロジェクトが開始される見込みです。
そのうち4件はソイ・トンローをロケーションとし、トンロー・ソイ12とトンロー・ソイ16の2件はオール・インスパイア・ディベロップメント社(All Inspire Development)が手がけます。もう2件はノーブル・ディベロップメント社(Noble Development)及びSCアセットコーポレーション(SC Asset Corporation)によるものです。

ソイ・トンローの反対側には、ライモン・ランド社(Raimon Land)がスクンビット・ソイ38に200〜300ユニットを建設。ソイ・トンローから2つほど路地先に位置するスクンビット・ソイ59にはランド&ハウス社(Land & Houses)によりコンドミニアムが500-700ユニット、オリジンによりサービスアパートが建設されます。

「コンド市場の減速を受け、デベロッパーは新規供給のための土地を購入する前に、そのロケーションに需要があるという確信が持てることを重要視しています。」とファッタラチャイ氏は述べました。

ウィチャイ・ウィラットカパン氏(不動産情報センター(REIC)アクティングディレクタージェネラル)は、強い購買力にも関わらず市場が供給を吸収できない可能性もあり、新規コンドの供給開始に対してデベロッパーはもっと注意すべきだとします。

「新規供給のポテンシャルがあるロケーションとは、販売率が高く余っている既存供給が少ない場所です。売り出す住宅ユニットの価格が手頃になるように、新規開発用の土地はリーズナブルな価格であるべきです。」とウィチャイ氏は述べました。

REICによると、ミンブリー、ラートクラバンは2019年の上半期に月7.2ユニットという最高月間契約率を叩き出し、新規コンド供給向けロケーションとして今年バンコクで最もポテンシャルの高い地域であるということです。

ミンブリーでは加えて、カエライから出るピンクラインとタイ文化センター駅から繋がるオレンジラインの2つの新路線がそれぞれ2012年と2023年までに運行を開始する予定です。

ウッタカット、バーンワーの地域はミンブリー、ラートクラバンに次いで高い月間契約率を記録したものの、前半以降記録を保持できず5位という結果になりました。

REICではポテンシャルロケーションのスコアリングに以下5つの要素を使用しています。3半期連続の販売率の上昇傾向(30%)、3半期連続の高い販売率(20%)、供給の残数の少なさ(20%)、 継続した新規供給着手(10%)、新規開発に利用可能な手頃な価格の土地(10%)。

(出所:Bangkok Post