[マレーシア] OECD、2022年のマレーシア経済成長率6%と予測

2022/03/29



経済協力開発機構(OECD)は、マレーシアの国内総生産(GDP)が、2022年は6%、2023年は5.5%成長すると予測しています。



2022年の予測は、マレーシアの財務省の予測5.5%~6.5%成長の範囲内です。しかし、国際通貨基金(IMF)の予測5.75%、世界銀行の予測5.8%を下回っています



OECDは、新型コロナウイルス封じ込め策がマレーシアの経済成長に与えたマイナスの影響は、持続的な財政支援と回復しつつある世界需要により和らげられていると述べています。



3月22日に発表された、OECDの2022年東南アジア、中国、中国の景気見通し(Economic Outlook for Southeast Asia, China and India 2022)には、「見通しはダウンサイドリスクにさらされるでしょう。非常に感染力の高いオミクロン株とサプライチェーンの混乱が、短期的に回復を減速させるでしょう。」と書かれています。



Covid-19感染数が再び増加して、2021年8月にピークを迎えたことで、国家の経済活動の核となるクアラルンプールとセランゴールの大部分に厳しい制限措置が課されました。



OECDは、商品も労働者も不足する中で、生産活動が低下したことで、政府は、特定の業種の活動を再開させに至ったと加えています。



全体として、マレーシアの実質GDPは、2021年に3.1%回復しました。力強い投資活動に支えられましたが、部分的には純輸出の低迷に相殺されました。一方で、経済成長に最も貢献したのは、工業生産でした。



「通年では、マレーシアのGDP成長は、2022年は6%、2023年は5.5%に到達する予想です。依然として、成長率は、オミクロン変異株が増える中、国家のパンデミックを封じ込める能力に大きく依存しています。」



「Covid-19感染数が再び増加し、全国レベルの封じ込め策を再実施されると、2022年の成長率に重くのしかかる可能性がある一方で、いくつかの要因はその影響を軽減させることになりそうです。たとえば、経済にとって不可欠なセクターの企業に対する政府のサポート継続、リモートワークへの適応性を高め、そして自動化やデジタル化を促進することなどです。」とも述べられています。



2022年予算には、過去最高となる3億3,250万リンギット相当の支出が織り込まれており、マレーシアの成長を支えることになりそうです。OECDは、国のCovid-19基金への230億リンギット(約6,683億円)の割り当ての多くは、現金給付および社会扶助に充てられることを指摘しています。



2021~2025年の第12回マレーシア計画(12th Malaysia Plan)に記載されている支出計画の段階的な実施もまた、短期的な成長率を支えることになりそうです。



ASEAN-5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の中で、OECDの2022年のマレーシア成長予測は、フィリピン(7%)、ベトナム(6.5%)に次いで3番目となっています。一方で、インドネシアの成長率は5.2%、タイは3.8%と予想されています。




(出所:The Edge Markets

(画像:Photo by Nour Betar on Unsplash )