2024/01/04
海外で働くフィリピン人労働者(OFW)が、高金利環境が住宅ローンへの意欲を減退させ続ける中、国内不動産市場の救いの手として浮上しています。
フィリピン中央銀行(BSP)の最新データによると、第3四半期の新築住宅購入のための銀行ローンは全国で前年同期比1.8%減少しました。住宅ローンが11.9%減少したマニラ首都圏ではその減少が顕著でした。
インフレが高止まりする中、BSPが積極的な基準金利引き上げを行ったことで、住宅ローンは借入コストが上昇し、低迷しています。基準金利は、銀行がローン商品の金利を決定する際の指標となっているからです。
ローン残高の減少は、住宅価格の上昇の鈍化につながりました。数字によると、第3四半期の全国の住宅価格は前年同期比12.9%増と、第2四半期に記録された前年同期比14.1%増に比べ軟調でした。
総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンのアソシエイト・ディレクター、ジョーイ・ボンドック氏は、高金利が大きな懸念材料であることに変わりはないが、地元の不動産市場は、歴史的に大きな住宅購入者である海外フィリピン人労働者からの支援を受け続けるだろうと考えています。
とはいえ、ボンドック氏は、借入金利の動きとは別に、海外で働くフィリピン人の大規模な帰国を引き起こす可能性のある世界情勢にもっと注目すべきだと説明しています。
「投資家心理は金利上昇の影響を受けやすいため、マニラ首都圏のコンドミニアムのプレセールの動きは鈍くなっています。」
「金利動向もさることながら、世界的な景気減速や地政学的な問題を注視する必要があります。というのも、これらの要因が、OFWの送金にも影響し、フィリピン国内の住宅ユニットの成約が減速する可能性があるからです。」
ボンドック氏によると、例年第3四半期は新築住宅の需要が低迷する傾向にあり、「価格上昇のペースが鈍化している背景には、このような需要低迷があるのではないか」と述べています。また、通常、海外フィリピン人労働者の送金額と国内の投資家意欲は、第4四半期に回復するとも述べています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:UnsplashのAlyssa Castorが撮影した写真)
もっと詳しく知りたい方はこちら