2020/10/15
【完全保存】各国の不動産投資の日本と比較したメリット・デメリットと海外不動産投資を失敗しないための極意
海外の不動産投資が人気の理由・メリット
日本にはない海外不動産投資のメリットは、将来性の大きさや資産分散などです。
他の金融商品との比較
海外不動産投資には具体的に次のようなメリットがあります。
海外不動産は、人口や価格推移不動産の値動きなど公表されているデータを用いれば、将来的な価格を予測できます。その一方で、株式・FX・仮想通貨など金融商品に対する投資は、投機的な値動きをすることも多く、専門家でも正確な値動きの予測が難しいです。
また、不動産は実物資産なので、仮に値下がりが起きても価値がゼロになることはありません。しかし、金融商品は値動き次第で価値がなくなってしまうこともあるでしょう。
そのほか、不動産投資には、家賃の値上げやコストカットなどオーナーが自らキャッシュフローを増やせる手段が複数あります。金融商品は、投資家自身が配当利益などをコントロールすることはできません。
日本と比較した海外不動産の魅力
海外には日本と違って人口が増加している国がたくさんあります。人口が増えている国では、住宅需要の高まりによる不動産価格の値上がりと、賃貸需要の高まりによる家賃収入を両方とも期待できるでしょう。
また、今後不動産投資をするのであれば、英語が通じやすい国で投資するのがおすすめです。英語も通じるエリアで投資するほうが、将来的な利益を狙いやすくなります。
世界に目を向けると、香港・ニューヨーク・ロンドンなど、英語圏もしくは中国語圏の都市は不動産価格が高いです。また、英語圏の国に住む投資家は英語圏の国で、中国語圏の国に住む投資家は中国語圏の国で投資する傾向があります。このため、英語圏もしくは中国語圏の不動産市場は大きな将来性を持っています。
一方で、日本の不動産市場は、海外の投資家にとって言語の面で参入難易度が高いです。日本では英語が通じるエリアが少なく、英語を喋れる人も限られています。
資産分散によりリスク回避ができる
「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があるように、投資のリスクを下げるためには資産分散することが必要です。例えば日本国内の物件にだけ投資していると、日本の経済が落ち込んだときにはその影響を一身に受けることになってしまいます。複数の国に分けて投資しておくことで、経済が落ち込んだとしても、その影響を限定できるでしょう。
海外不動産投資の国別のメリット・デメリット
ここからは、メリットやデメリットなど海外不動産投資の特徴を国別に解説します。
マレーシア
マレーシアで不動産投資をするメリットは、言語の面と管理のしやすさです。マレーシアでは英語が公用語として通じるほか、中華系の国民も一定数いるので中国語も使えます。英語と中国語が使えることから、マレーシアの不動産市場は将来性が高いです。また、日本とは時差が1時間なので、管理にあたってコミュニケーションのストレスがありません。
一方で、マレーシアでは外国人投資家による不動産の購入に対して最低購入価格の規制があります。2014年以降、外国人はRM100万(約2,700万円)以上の物件でなければ購入できません(2020年中は条件によってRM60万に引き下げ)。将来性は大きい一方で、利回りが下がりやすい点がマレーシア不動産のデメリットです。
フィリピン
フィリピン不動産もまた、国内で英語が通じる強みを持っています。また、すでに1億人を超えている人口や、人口密度の高さなどは大きな強みです。人口密度が高ければ、より高い賃貸需要を期待できます。そのほか、外国人もフィリピン国内の融資を利用しやすい点が大きなメリットです。ただし、ビザの種類や状況によって利用難易度が変化するので、事前の確認を要します。
なお、非居住者に課される税金が高い点などはデメリットです。利益を上げやすいフィリピン不動産ですが、家賃と経費のバランスには注意を要します。
タイ
タイ不動産のメリットは、通貨の強さと親日性の強さです。タイの通貨であるタイバーツは、過去の値動きを見ると日本円よりも安定しています。通貨が安定していることから、海外不動産特有の為替リスクが小さいです。
また、タイは親日国で現地に住む日本人も多い特徴があります。現地で地場の不動産業を営む日本人もいるので、日本人が不動産投資をしやすい環境が整っていると言えるでしょう。
一方で、今後の発展見込みに関しては、東南アジアの周辺諸国と比較すると見劣りします。タイでは平均年齢が40歳を超えており、すでに日本に近い水準まで上がっているためです。若年層の少なさは将来的な賃貸需要に影響します。
カンボジア
カンボジアの強みは、経済的な将来性とUSドルが一般的に流通している点です。カンボジアは急速な経済成長を続けており、2008年にリーマンショックが起きた時も成長を維持してきました。今後も特に大きな発展を期待できる国の1つです。
また、外資の力に頼りながら発展してきたカンボジアでは、USドルが一般的に流通しています。東南アジアの新興国でありながら、世界の基軸通貨であるUSドルで家賃収入を得られるのは大きなメリットです。
一方で、カンボジアには、まだ人口密度が低いデメリットがあります。1991年まで約20年に渡る内戦が続いていたカンボジアは、周辺諸国と比較すると人口が少ないです。
また、首都プノンペンには高層コンドミニアムが立ち並ぶようになりましたが、供給過剰の懸念もあります。高級高層コンドミニアムは、現地の実需層から見ると価格が高すぎることも事実です。賃貸付けや最終的な物件の売却には、しっかりとした戦略が必要になります。
ベトナム
ベトナムが持つメリットは、力強い経済成長と登記制度が比較的しっかりしていることです。ベトナムは特に2019年に大きく経済を拡大しており、2020年にはコロナウイルス感染症拡大の抑制にも成功しています。
2020年第二四半期のGDP成長率は、ASEAN主要6カ国の中で、ベトナムだけが唯一プラス成長でした。また、周辺諸国と比較すると不動産所有権に関する登記の制度が整備されているため、外国人でも安心して不動産を取引できます。
一方、ベトナムのデメリットは通貨に関するポイントです。自国通貨のベトナムドンは、新興国が多いアジア圏でも強いほうではありません。また、通貨の海外送金に関して強い規制が敷かれているため、家賃収入を得られても日本へ送金する難易度が高いです。
アメリカ
アメリカ不動産のメリットは、人口増加と安心感の強さです。アメリカは長期間にわたって人口増加が続いている先進国の1つです。住宅需要も安定しているので、大きな値崩れの心配がありません。
また、アメリカは不動産市場も新興国と比較するとかなり成熟しています。不動産取引の透明性が高く、取引に関する制度もしっかり整備されているので安心感が強いです。
一方、新興国と比較すると利回りが低くなりがちな点はデメリットです。ニューヨーク・カリフォルニア・ハワイなどは外国人にもなじみが強く、投資しやすいでしょう。しかし、これらのエリアは世界的にもトップクラスに入るほど不動産価格が高いため、利回りはそれほど上がりません。
また、アメリカは広いので、より高い利益を狙うのであれば、アメリカの中でもさらにエリアの見極めを重ねる必要があります。
イギリス
イギリスも不動産投資の安心感が強い先進国の1つです。不動産売買の手続きには弁護士が間に入るため、法的なリスクが少ないです。また、アメリカと同様に人口増加を続けているため、将来的な住宅需要を期待できます。
一方で、イギリスには先行き不透明なデメリットがあります。EU脱退を表明したイギリスからは、一時期、外資企業が次々に撤退していきました。2020年末までは脱退の移行期間とされていますが、その間に海外各国との商取引などについて、全て合意を取り付けられるとも限りません。
また、コロナウイルスの感染症拡大は、イギリスの先行き不透明感にさらなる拍車をかけています。今後長期的に経済が低迷する可能性もゼロとはいえない状況です。
海外不動産投資で気を付けたいポイント
続いて、海外不動産投資のリスクや気をつけておきたいポイントについて解説します。
投資(物件)の見極め方
海外では完成前の投資用物件のことをプレビルドと呼び、新興国では特に、プレビルドの物件が数多く販売されています。プレビルドの物件に投資するならば、売主の実績や物件の売れ行きなどを確認することが重要です。
売れたユニットの代金をそのまま工事費用に充当する、自転車操業状態のプロジェクトもあります。海外不動産投資の失敗には、プレビルドの物件が完成せず投下した資金も戻ってこないというものが多いです。
エリア選定の方法・情報の取得方法
例えば新興国は今後大きな利益を狙える可能性を持っている一方で、新興国ならばどのエリアに投資しても良いというわけではありません。エリア選定に関しては、現地の肌感覚も参考になるので、信頼できる現地のエージェントに相談することが重要です。
また、情報収集にあたっては、その国の言語もしくは英語で書かれている情報を読解する必要があります。情報収集についても、英語に自信がない場合は信頼できるエージェントの力を借りることが重要です。
ローン・初期費用
日本国内の不動産投資では、多くの場合でローンを利用できます。しかし、海外不動産投資ではローンの利用に制約が多いので要注意です。日本国内で海外不動産投資に融資する金融機関は少数派です。
また、投資先の国内でローンを利用する場合も、その国での継続的な収入を証明するよう求められることがあります。初めての海外不動産投資では特に、必ずローンを利用できるとは限りません。現金購入するしかない場合も多いので、事前の確認は必須です。
海外送金の方法
投資先の国を決めるときには、あらかじめ銀行口座の開設や海外送金などの可否についても確認が必要です。例えば日本やアメリカでは自国通貨の海外送金について、厳しい規制がありません。
しかし、新興国では特に、自国通貨の海外送金に対して規制がかかっていることもあります。海外送金ができないと、投資によって収入を得たとしても、使い道がかなり限定されてしまいます。
賃貸や売却といった出口戦略
海外不動産投資では、日本国内での投資以上に出口戦略を明確にしておくことが重要です。今後の発展が見込まれるエリアに投資する場合でも、賃貸付けや最終的な売却について無理な計画にならないか、よく検討する必要があります。
例えば東南アジアの新興国では、現地の実需層は買えない値段の物件が投資用として販売されていることも多いです。物件価格が高いと賃料も上げなければ利回りを確保できません。また、高価格な物件は、物件を売却するときに買い手がとても限られてしまいます。
外国人の規制
特に新興国では、短期間で外国人投資家に対する規制が変わることがあります。新興国には海外からの投資マネーが集まってくるので、不動産市場が過熱状態になってしまうことも多いです。
実需の購買層が住宅購入するのに支障があると判断されると、外国人投資家に対する課税率が上がったり、不動産の最低購入価格が設定されたりします。税率の引き上げはインカムゲインへ影響を及ぼすほか、最低購入価格の引き上げは、物件の売却時期など出口戦略に影響するでしょう。
まとめ
海外不動産投資には、高い経済成長率や人口増加など日本の市場にはないメリットが多いです。また、海外不動産も実物資産なので、日本の不動産と同様に、値下がりしても価値がゼロになるリスクはありません。
実際の投資にあたっては、投資目的を明確にして各国の特徴をよく見極めることが重要です。また、特に情報収集や外国人に対する規制など、海外不動産特有の注意点もあるので、これらのポイントは事前にしっかり把握しておきましょう。
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