2020/08/06
[フィリピン]オックスフォード・エコノミクス:フィリピンのGDPは第2四半期-14.3%
フィリピンの2020年第2四半期のGDP成長率は、域内でも最も厳しい対Covid-19のロックダウンの一つを実施し、経済が大きな打撃を受けたとして、前年同期比で厳しい-14.3%となる見通しです。
UKを拠点としグローバル予測サービスの提供するオックスフォード・エコノミクスは、フィリピンの第2四半期のGDPについて、1985年と同レベルの通年で-6.9%と予測しているとInquirer紙に語りました。
1985年の経済成長率は-6.9%。当時の大統領フェルディナンド・マルコスが、膨大な債務を生み、1986年エドゥサ革命で政権を追われたときのことです。
フィリピンのGDP成長率の落ち込みが過去最大だったのは1984年で-7%でした。
2020年7月1日付のフィリピン経済予測の中で、オックスフォード・エコノミクスは、今年の経済成長率を-6.9%と予測しました。Covid-19封じ込め対策の緩和後の経済活動の回復ペースについて、より慎重な見方を反映したとしています。
「個人消費は、急増する失業者、海外からの送金額の減少、そして消費者の悲観的な心理を背景に縮小しています。民間投資もまた、各企業が拡大戦略を遅らせていることから活動は弱まり、インフラプロジェクトもソーシャルディスタンシング対策により乱れています。」
「しかし、高度医療、社会保障、そして景気刺激策が政府の支出を促し、輸入が落ち込むため純輸出もまた成長を支えるでしょう。」と述べています。
3月中旬から5月まで行われた強化されたコミュニティ隔離措置により、経済の75%が停止状態となりました。オックスフォード・エコノミクスは、輸出・輸入ともに落ち込んだことにも触れています。
また、オックスフォード・エコノミクスは、国内経済の4分の3を占めるマニラ首都圏が7月、一般的なコミュニティ隔離措置となり、徐々に経済活動が再開し始めていることに言及し、6月以降の輸出は、隔離措置の緩和により経済活動が徐々に活発になるにつれ、緩やかに回復方向に向かうと予測しています。しかし、多くの主要輸出先の需要が弱いことから、見通しは低い状態が続くとみられています。
オックスフォード・エコノミクスは、Covid-19流行による景気後退を、経済にとって一番のリスクであるとみなしています。
(出所:Business Inquirer)
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