2023/09/11
英不動産サービス会社ナイト・フランクがこのほど発表した「2023年上半期アジア太平洋地域レジデンシャルレビュー」レポートによると、ペナンの住宅不動産市場は、2023年上半期に年間5.78%の成長を記録して、東南アジアで2番目に好調な市場となりました。同レポートは、アジア太平洋地域の25都市の平均住宅価格の動きを追跡したもので、2023年上半期に14都市が年間プラス成長を記録し、シンガポールが7.97%で1位でした。一方で、アジア太平洋地域全体の平均住宅価格上昇率は-0.2%となりました。
アジア太平洋地域全体のトップ5でもシンガポールが1位(+7.97%)、続いて東京(+7.88%)、ムンバイ(+6.00%)、ペナン(+5.78%)、ベンガルール*(+5.32%)でした。
*インド第3の都市ベンガルールは、2014年11月、英語読みのバンガロールから現地語読みのベンガルールに名称変更されたものです
ナイト・フランク・アジア太平洋地域のレジデンシャル部門責任者ビクトリア・ギャレット氏は、「ここ数年の住宅価格の高騰の後、2023年に入って6ヶ月間で価格は頭打ちとなり、より多くの市場で価格調整が起こっていることを示しています。利上げが一時停止されたことで、バイヤーたちが夢のマイホームを手に入れるためにこの機会を利用しています。この動きは主に、オーストラリア、ニュージーランド、インドで見られています。高インフレが続く中、限定的な住宅供給、新築工事への制限、堅調な世帯形成が相まって、各市場の価格は下支えされるでしょう。」と述べています。
一方、ナイト・フランク・アジア太平洋地区調査責任者のクリスティン・リー氏は、アジア太平洋地域はバランスの取れた見通しを維持しており、世界的な課題に適応しつつ、主要市場では回復力を示しているとコメントしました。 「販売も動きも着実で、一部の市場では前年比プラス成長を見せており、値ごろ感が薄れてきている中での買い手の自信感は、この地域の有望な見通しを裏付けています。オーストララシア(オーストラリア大陸・ニュージーランド北島・ニュージーランド南島・ニューギニア島およびその近海の諸島(インドネシアの領域を含む)を指す)の価格の減速率が、オーストラリア・ニュージーランド市場における自信感を復活させる一方で、不動産所有への強いあこがれが所得水準の上昇と相まって、インドやマレーシアなどの新興市場の需要を支えるでしょう。」と話しています。
マレーシアでは、クアラルンプールの住宅価格が前年比0.34%上昇したのに対し、ペナンでは5.78%上昇し、ペナンは東南アジアで2番目に好調な都市となりました。マレーシアの住宅市場のパフォーマンスについて、ナイト・フランク・マレーシアの調査・コンサルタント担当シニア・エグゼクティブ・ディレクターのジュディ・オング氏は、「GDP(国内総生産)が2023年第2四半期に2.9%(2023年第1四半期:5.6%)を記録するなど、景気は減速しているものの、最近のOPR(翌日物政策金利)引き上げの一時停止と労働市場の状況の改善(2023年6月の失業率は3.4%)が相まって、住宅市場を引き続き支えることになるでしょう。道路や鉄道網の整備は、主要都市におけるコンセプトの優れたレジデンシャル商品への需要を下支えし、今後も価格は堅調に推移すると予想されます。」と述べています。
(出所:The Edge Malaysia、Knight Frank)
(画像:UnsplashのMahmud Ahsanが撮影した写真)
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