2022/05/10
フィリピン統計局(Philippine Statistics Authority(PSA))によると、2022年3月、失業中のフィリピン人は287万人となり、パンデミックが始まって以来最低の失業率となりました。しかし、多くが「不完全雇用」*のカテゴリーへと移行しました。
*不完全就業あるいは過少雇用ともいう。完全雇用にまで達していない雇用水準を指し、労働者が一般の雇用労働者の標準に達しない労働時間・日数などの条件で雇用される状態。潜在失業者の存否やその数の多少を測る基準となる。(出所:コトバンク)
PSAの報告によると、2022年3月の失業率は5.8%で、2020年4月に記録した過去最高の17.6%以来の最低値となりました。3月には、メトロマニラを含む多くの地域がコロナ対策のアラートレベル1に区分されました。
主要な産業の中でも、建設業が前月比ベースで最も失業数が多く、続いて宿泊・食品サービス、輸送・倉庫、教育、専門職、科学・技術活動が続きました。
失業者数は減ったものの、3月の不完全雇用者数は増加しました。PSAのデニス・マパ主席統計官によると、3月に追加の労働時間またはより良い雇用機会を求めた15歳以上のフィリピン人は742万人と推定され、2月の638万人を超えました。
3月は、主に農業および林業における不完全雇用が増え、764,000人となりました。卸売および小売業と自動車修理業もまた増加に拍車をかけました。
一方で、3月の雇用者数は4,698万人でした。換算すると就業率は94.2%になります。2月の4,548万人、93.6%から改善しました。
労働人口に加わったのは4,985万人で、2月から120万人増加しました。労働参加率*は65.4%となり、2月の63.8%から増加しました。
*「労働参加率」は、生産年齢人口(15歳~64歳の人口)に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合である。労働参加率(%)= 労働力人口/生産年齢人口×100で求められる。生産活動に従事しうる年齢層のうちどの程度の割合が労働市場に参加しているかを示す指標であるといえる。(出所:働き方改革検定)
社会経済企画庁のカール・ケンドリック・チュア長官は、声明の中で、最新値では、国内経済の70%(を占めるメトロマニラ)を最も緩やかなアラートレベルに置いたことによる「もうけ」が反映されていると述べています。
「リスク管理を引き続き行う中で、より多くの雇用を生み、外的ショックに対して国内経済を強いものにしていくために、国内全土をアラートレベル1にシフトさせていくという提言を強調したい。」と述べています。
また、国家経済開発庁長官でもあるチュア氏は、未来の世代により良い機会を与えるべく、対面での学びを再開させる必要も強調しています。
(出所:CNN Philippines)
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