2020/08/24
[フィリピン] 政府1.12兆ペソを2021年インフラ支出のために確保
世界銀行が、フィリピンの道路、電力、水道インフラの品質が、近隣諸国に比べて後れを取っていると言及したしたため、フィリピン政府は、2020年のインフラのための支出額を、7,855億ペソ(約1.71兆円)にまで引き上げました。
内閣レベルでの開発予算調整委員会(Development Budget Coordination Committee (DBCC))は、2020年7月28日、名目GDPの4.2%の2020年公共インフラプログラムを暫定的に承認しました。
この新しいプログラムは、5月の開発予算調整委員会で計画されていた7,751億ペソ(約1.69兆円)よりも増額されていますが、去年の実際のインフラ支出額1.05兆ペソ(約2.29兆円)よりは低いものとなっています。
2021年に関しては、1.12兆ペソ(約2.44兆円、GDPの5.4%)がインフラプログラムに充てられます。これには、国家政府インフラ、インフラ助成金、国営企業への投資、並びにインフラプロジェクトのための地方政府への送金も含みます。予算管理省(Department of Budget and Management)によると、当年度の予算および過年度からの移行分も含まれるとのことです。
しかし、見直し後の2021年インフラプログラムは、今年5月時点で計画されていた1.18兆ペソ(約2.57兆円)からやや減額されたものとなりました。
ワシントンを拠点とする世界銀行は、「Infrastructure in Asia and the Pacific: Road Transport, Electricity, and Water and Sanitation Services in East Asia, South Asia and the Pacific Islands(仮訳:アジア太平洋地域のインフラ:東アジア、南アジア、太平洋諸島における道路交通、電気、水道、衛生サービス)」と題されたレポートの中で、フィリピンでは、道路品質調査において、道路インフラの品質がとても悪いと感じられていると述べています。「マニラは特に、著しい渋滞が課題です。路面の状態は改善しているものの、4本に1本以上の道路の路面状態はよくありません。この多くは、過少投資とメンテナンス不足によるもので、特に農村地域ではそれが顕著です。」と書かれています。
このレポートは、世界銀行初となる、インフラ品質、供給レベル、サービスの入手可能性について総合的に棚卸したものです。
電気については、世界銀行は、フィリピンでは「広くいきわたっており電力損失も低いが、人口一人当たりの電気消費量もとても低い」と述べています。
政府の戦略的な農村電化プログラムにより、2016年に農村地域での電気へのアクセスが格段に進歩したため一方で、発電能力が、急速に伸びる需要に見合っていないことを意味する、と世界銀行は述べています。
水道については、世界銀行は、上下水道事業体国際ベンチマーキング・ネットワーク(The International Benchmarking Network for Water and Sanitation Utilities)のデータベースの2009年の品質データに言及し、「ルソン地域、ビサヤ地域、ミンダナオ地域を合理的にカバーしている(都市人口の38%)」と述べています。
「しかし、全体として、域内平均と比べると、国の上下水道へのアクセスは限定的です。さらに、供給される水道の品質と下水処理レベルは際べて低いと言えるでしょう」とも書かれています。
(出所:Business Inquirer)
(トップ画像:Julian Paolo Dayag on Unsplash )
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