[フィリピン] 1月~5月インバウンド観光収入は61%減

2020/06/08

[フィリピン] 1月~5月インバウンド観光収入は61%減



フィリピン観光省は、新型コロナウィルス(Covid-19)による渡航制限の影響で、2020年最初の5か月のインバウンド観光収入が60.56%減の810億ペソ(約1,780億円)となりそうだと発表しました。


6月3日(水)のバーチャル会見で、観光省のバーナデット・ロムロ・プヤット長官は、2020年1月から5月の外国からの観光客数は、前年同期の349万人から62.21%減の130万人となったと発表しています。


「3月22日にビザの発給を止めていますので、4月、5月は実質ゼロです」と、プヤット長官は述べています。


国連世界観光機関(UNWTO)は、先に、Covid-19流行の影響で、今年の海外旅行者数は世界全体でさらに減少し、最大78%減にまでなるだろうと発表しています。


「数字は減っていますが、観光省は臨機応変に対応しています」として、プヤット長官は、観光省のロックダウンにより取り残された外国人・フィリピン人の支援について言及しました。


プヤット長官によると、観光省は、政府がCovid-19感染拡大抑制のために行った陸・空・海の旅行制限以来、取り残された外国人・フィリピン人旅行者36,947人の支援を行いました。


観光省は、中央・地方政府、大使館、航空会社と連携し、帰国便の準備、陸上・海上輸送、食事の提供から宿泊先の手配まで、27,620人の外国人観光客の支援を行ったと発表しています。


加えて、観光省は、国内の各エリアに取り残されたフィリピン人旅行者9,237名人の支援も行っています。


2020年4月、新型コロナウィルス対策の省庁横断タスクフォースは、取り残されたフィリピン人旅行者を国内各地からマニラ首都圏へ戻すためのフライトのチャーターや資金調達といった必要な対策を引き受けたいとする観光省の要請を承認しました。


これにより、観光省は、ブトゥアン、カティクラン、セブ、ダバオ、エル・ニド、イロイロ、プエルト・プリンセサといった地方空港からメトロマニラへのフライトを準備すべく、国内航空会社と連携を取ってきました。


フライト準備の他にも、観光省は、観光振興委員会(TPB)とその地方事務所を通じて、隔離措置の実施により航空券や陸上輸送機関のチケットに影響が出ている国内旅行者のうち対象者について、1回限りの現金支給なども行いました。


プヤット長官は、観光省、政府機関、および民間セクターの努力を結集したことが旅行者たちの記憶に残り、渡航制限が解除され、海外旅行ができるようになったら、またフィリピンを訪れたいと思ってもらえれば、と話しています。


さらに、観光省の対応として、フィリピン観光事業団体(Tourism Congress of Philippines)を通じて、中央政府の各機関やステークホルダーと連携して作成した、観光対応・回復プログラム(Tourism Response and Recovery Program(TRRP))があります。


TRRPは、フィリピンの国内観光産業を復興させる目的で作成されたもので、ビジネスの持続、労働力の訓練、弱者グループの保護に重点を置いた6つのテーマに基づいた、プログラム、プロジェクト、アクティビティなどが含まれています。


観光省のベニート・ベンゾンJr.次官は、TRRPを関係各所との協議に掛けたのちに、6月11日をめどに最終レポートの草案をマネジメントに提出する予定であると明かしています。

(出所:Philstar Global

(トップ画像:Photo by Laurentiu Morariu on Unsplash )