[フィリピン] 2021年も積極的なインフラ投資

2020/10/13

[フィリピン] 2021年も積極的なインフラ投資


社会経済計画省カール・ケンドリック・チュア大臣代理によると、フィリピン政府の旗艦インフラプログラムの見直し後のリストにのぼった104件のプロジェクトがすべて2021年までに開始します。


国家経済開発庁(NEDA)長官でもあるチュア氏は、NEDAの2021年予算についての上院委員会の中で、見直し後のインフラ事業リストには、政府の新型コロナウィルス(Covid-19)対応も考慮に入っていると述べています。


NEDAのウェブサイトに掲載されたリストによると、2020年8月19日時点で、これら旗艦プロジェクト総額は4.13兆ペソに上ります。


チュア氏は、Covid-19対応と実施可能なプロジェクトを織り込みながら、定期的にインフラ旗艦プロジェクトを評価していく予定だと述べています。インフラ旗艦プロジェクトは、刻々と進化していくもので、各四半期ごとに進捗を評価するとしています。また、今回の104件は、2021年に実施できる準備が整っているかどうかで選ばれているということです。



また、別の声明では、カルロス・ドミンゲス財務長官が、安定的なインフラ投資は、職を生み、消費を促し、生産活動を促進することから、経済にとって最も大きな乗数効果を生み出すと述べています。


ドミンゲス長官は、国がCovid-19対応に奮闘する中、国を持続可能な高成長の道筋へと戻すためだけでなく、公衆衛生を確保するための条件としても、経済の再建が必要であると指摘しています。


「弱い経済ではパンデミックとは戦えませんし、公衆衛生の危機を解決しなくては、経済の勢いを取り戻すこともできません。国民の健康と経済の強さは、お互いを補強しあっているのです。」とドミンゲス長官は述べています。


予算管理委員会(Department of Budget and Management)のウェブサイトによると、2021年予算案におけるインフラプロジェクトへの割り当ては1.108兆ペソ(約2.4兆円)となっており、2020年の支出案約9,760億ペソ(約2.1兆円)から13.4%増となっています。2021年インフラ支出予算は、国のGDPの約5.4%に相当します。

▼フィリピン予算委員会の2021年予算案「ビルド・ビルド・ビルド」プロジェクト

総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、インフラプロジェクトによって、アクセスが改善し、不動産価格が上がり、地価の上昇につながると述べています。同社は、今後6か月~18か月に完了予定の以下のプロジェクト、不動産市場における需要増につながる注目のプロジェクトとして挙げています。

・メトロマニラ・スカイウェイ高速道路(第3期)
・BGCーオルティガス接続橋
・LRT-2号線の東延伸線
・エストレーリャ-パンタレオン橋
・クラーク国際空港

(出所:Malaya Business InsightColliersDepartment of Budget and Management