2022/03/01
フィリピン経済は2021年、5.6%成長を遂げ、不動産市場もまた、2022年に転機を迎えようとしています。オフィス市場では、2021年、オフィス取引が18%増加、一方で一戸建てや土地のみのプロジェクトも、特にメトロマニラ外のエリアで持続的な成約につながりました。
2021年のフィリピン経済は、2020年の-9.6%から方向転換して、5.6%成長を遂げました。特に景気の回復に貢献したのは、インフラを含む製造および建設業でした。オミクロン株の感染の波が来る前、行動制限を緩和したことが、部分的に消費者の支出を推進しました。これは、家庭の支出に大きく依存するフィリピン経済にポジティブな影響を与えました。
総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、企業および消費者の心理が改善し、不動産市場、特にオフィスとレジデンシャル不動産を支えるだろうと述べています。
コリアーズによると、2021年のオフィス取引は422,400平米で、2020年の357,400平米から18%増加しました。法務、エンジニアリング&建設、政府系機関、フレキシブルワークスペース事業者などの従来企業、続いてアウトソーシング企業がオフィス成約をけん引しました。これらの企業が契約したのは、オルティガス・センター、マカティCBD、フォート・ボニファシオのオフィススペースです。メトロマニラ以外では、セブ、パンパンガ、イロイロのオフィス需要が持続的だと見られています。
レジデンシャル不動産に関しては、コリアーズによると、2021年の竣工は8,731戸で、2020年に引き渡しがあった3,370戸からは159%増加しました。これらの新規ユニットを所在地別にみると、ベイエリアとフォート・ボニファシオでした。コリアーズの予測では、2022年から2026年にかけて年間6,500戸の引き渡しがあり、うちベイエリアが新規供給47%を占めると見られています。
さらに、2021年、メトロマニラ以外の地域では、戸建て住宅や土地のみのプロジェクトの成約も持続的に見られました。パンパンガ、タルラック、ブラカン、カヴィテ、ラグーナ、バタンガスといった北部・南部ルソン地域の主要エリアが人気で、2021年末時点でレジデンシャルプロジェクトの販売率は86%から高いものでは97%となりました。
コリアーズは、不動産デベロッパーに対して、2022年以降のオフィス、レジデンシャル、リテールスペース、工業団地・施設の繰延需要を掴むためには、土地の取得を戦略的に行なっていく必要があると提言しています。また、今後12か月から24か月で完成するインフラプロジェクトも最大限に活用していくべきだと述べています。
(出所:Colliers)
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