[フィリピン] REIT市場、ますます大きく

2021/10/04


フィリピンREITの立ち上げ成功は、不動産市場にとっても、フィリピン経済一般にとっても幸先がよいものになる、と総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンのジョーイ・ボンドック氏は述べています。


ひとつは、REIT立ち上げの成功が、成熟した資本と不動産市場を持つ他のアジア諸国と肩を並べられる位置にフィリピンを押し上げることです。コリアーズは、フィリピンREITが、不動産プロジェクトのさらなる差別化、革新につながり、いずれはフィリピン投資家やエンドユーザーに恩恵を与えることになるはずだと考えています。


コリアーズ・フィリピンは、地方の、また全国の不動産会社が、いかにフィリピンでのREITの立ち上げを最大化できるかについて、いくつかの提言を示しています。


1.REITを資産評価のためのベンチマークとして使う

フィリピン不動産マーケットは、実際の市場情報がすぐに入手できなかったりと、不透明なところがあります。REIT取引を通じた価額の開示は、今後の不動産セクターの透明性強化につながり、すべての市場関係者のためになるでしょう。


2.REIT上場のための優良資産を検討する

これは将来的に大手デベロッパーに資産を売却することで資金調達することを意図する中堅デベロッパーにとっては特に重要です。コリアーズは、規模が比較的小さいところほど、メトロマニラ内外のオフィス、倉庫、モールの改修を検討すべきだと述べています。


3.インテグレーテッド・コミュニティの開発

マニラ外の主要都市におけるインテグレーテッド・コミュニティ(総合タウン)の開発に、REITの収益を充てていくことも推奨しています。コリアーズは、魅力的なロケーションとして、パンパンガ州のメトロクラーク、イロイロ、セブ、バコロド、カヴィテ、ラグーナ、バタンガス、ダバオを挙げています。全国展開しているデベロッパーの、メトロマニラ外の事業拡大という目標を支えることになるでしょう。


4.魅力的なREIT物件

コリアーズはまた、デベロッパー各社に対して倉庫を常にアップグレードして、物流系テナントのニーズについていけるようにすべきだとも述べています。工業資産は、魅力的なREIT物件であり、デベロッパーのREITポートフォリオに含まれるべきだとしています。ますます成長するEコマースと、2021年以降さらに早い速度で回復するとみられているロックダウン経済を背景に、現代的な物流施設の需要は高まってきています。



コリアーズは、フィリピンのREITに対して楽観的な見方をしています。というのも、REITを主に支えるのはオフィスセクターで、オフィスセクターは2021年以降の不動産市場の成長を推進していくセグメントの一つのみなされているからです。REITは、コロナ状況下・コロナ後ともに実行可能な投資の選択肢であり、デベロッパーにとっても投資家にとってもためになるものです。大手不動産会社は、REITを最大化しようとしており、後に続く企業も増えるでしょう。



すでに上場済みのREITには、次のものがあります。


アヤラランドREIT(AREIT)


2020年7月27日上場で、新規株式公開(IPO)の価格は1株当たり27ペソ(約59.1円)でした。2021年8月31日時点で、1株当たりの価格は36.8ペソ(約80.6円)となっています。AREITのポートフォリオの当初の評価額は136億ペソ(約298億円)で、アヤラ・ノース・エクスチェンジ、マッキンリー・エクスチェンジ、ソラリス・ワンで構成されていました。上場以降、AREITは追加の物件を取得しており、代表的なものに、ザ・サーティエス・コーポレート・センター(パシグシティ)、ラグーナ・テクノパーク内の土地区画およびテレパフォーマンス・セブなどがあります。



ダブルドラゴンREIT(DDMPR)


2021年3月19日上場で、IPO価格は、1株当たり2.25ペソ(約4.9円)でした。DDMPRによると、IPOで調達した資金の大半はセントラルハブ・インダストリアル・センターズ社に注入され、国内での工業倉庫のプレゼンスを高めるのに充てられるということです。



フィリンベストREIT(FILRT)


2021年8月12日上場で、IPO価格は1株当たり7ペソ(約17.5円)でした。ポートフォリオには17棟の建物が含まれ、うち16棟はアラバンのノースゲート・サイバーゾンに、1棟はセブITパークのリテール店舗付きオフィスタワーです。



ロビンソンズランド・コマーシャルREIT(RLCR)


2021年9月14日上場で、IPOの価格は1株当たり6.45ペソ(約14.1円)でした。最終提示価格ベースでは、国内最大規模のREITとなり、時価総額は642億ペソ(約1,406億円)です。同社は、最も「地理的に多様な」REITポートフォリオを誇っており、14棟の商業不動産物件、賃貸可能オフィス面積425,000平米で構成されています。



メガワールドREIT(MREIT)


上場は2021年9月30日に予定されていましたが、予想を上回る需要により、10月1日に変更されました。MREITのIPO価格は1株当たり16.1ペソ(約35.3円)でした。物件評価額は556億ペソ(約1,218億円)で、224,430平米の賃貸可能スペースで構成されています。MREITのケヴィン・タン社長は、同社のポートフォリオのテナントのほとんどはビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)企業だとコメントしています。



コリアーズは、オフィス不動産を比較的安定したセグメントだとしています。ワクチン接種の取り組みも進み、コロナ後のオフィスセグメントの回復を助けるでしょう。コリアーズはまた、アウトソーシング企業のメトロマニラ内外でのオフィス賃貸も進むだろうと述べており、今後のフィリピン不動産とREITはさらに面白くなってくると予想しています。



(出所:Business InquirerCNN Philippines