2020/09/24
[フィリピン] 景気後退で2020年のGDP見通し下方修正
アジアでも最も厳しいロックダウンを行ったフィリピンは、2020年第2四半期に大幅な景気収縮を記録し、2020年通年の予測を見直しました。
2020年第2四半期のGDPは、前年同期比で16.5%縮小し、統計局によると、1981年以降最悪だということです。Bloombergは、21人のエコノミストに対して行った調査の中央値は9.4%だったと報じていますので、予想よりかなり厳しい結果になりました。GDPは2四半期連続で減少、前期比でも-15.2%となり、景気後退局面に入っていることを示唆しています。
▼フィリピンのGDP成長率(Trading Economicsより)
フィリピン政府は、通年の経済成長予測を見直し、以前の2%~3.4%縮小から、5.5%の縮小へと下方修正しました。一方で、2021年には力強い立ち直りを見せると予想しています。
「ウィルス封じ込めにより経済がこうむったコストは大きく、家計や法人のバランスシートに大きな傷跡を残しています。今後何か月も、需要に重くのしかかるでしょう。」とキャピタル・エコノミクスのアナリスト、アレックス・ホームズ氏は述べています。「ウィルス封じ込めの失敗、長引く活動制限、そして適切でない政策支援により、フィリピンが域内でも最もゆっくりとした回復を迎えることになりそうです。」
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、2020年3月から5月にかけて、コロナウィルス感染拡大封じ込め対策の一環として、厳しいコミュニティ隔離措置を実施、ほとんどのビジネスは閉鎖、公共交通機関は止まりました。
失業率は過去最高にまで上昇、海外で働くフィリピン人労働者(OFW)からの送金が激減し、民間消費に重くのしかかりました。ロックダウンにより生産活動が制限され、サプライチェーンを混乱させたため、3月から6月の輸出も二桁の減少となりました。
▼失業率の推移(Trading Economicsより)
(出所:Bloomberg)
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