2022/05/25
世界銀行の調べによると、本国への送金が域内でも比較的安価なこともあり、フィリピンは2021年、外国への出稼ぎ労働者からの送金受領額で世界4位となりました。
▼低・中所得国における送金受領額ランキング2021年(出所:世界銀行)
世界銀行は、2022年5月10日に発行された「Migration and Development Brief(移民・発展概要)」の中で、昨年の出稼ぎ労働者からの送金受領額トップ5の国を発表、ランクインしたのは、インド(890億ドル)、メキシコ(540億ドル)、中国(530億ドル)、フィリピン(370億ドル)、エジプト(320億ドル)でした。
世界銀行は、フィリピンが、4.3%という適度な成長率を記録して送金受領額が370億ドルに増加したと報告しています。これについて、「フィリピンは、米国の雇用創出と賃金上昇の恩恵をダイレクトに受けており、それが送金受領額のほぼ40%に相当する」と説明しています。
さらに、世界銀行は、フィリピンとベトナムが、「急速かつ力強い回復、寛大な景気刺激策による資金注入、さらに雇用と賃金の上昇といった形で、米国からのプラスのスピルオーバー効果を享受した」と述べています。
国民総生産(GDP)比では、海外に住み、働くフィリピン人から本国へ送金された金額は、2021年のGDPの9.3%に相当します。
世界銀行は、フィリピンへの送金手数料が、東アジア・太平洋地域でも最も安価な手数料のひとつであることも役立ったと述べています。
また、昨年第4四半期の域内で最も安価な送金ルートトップ5のうち、クウェート、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)、マレーシアからフィリピンへ送金する4ルートがランクインしました。
「フィリピン、ベトナムへの送金額の流入は、2022年には4.4%、2023年には3.6%~4.5%増加するとみられています。」
出稼ぎ労働者からの送金は、フィリピンが外貨を稼ぐ上で最も重要な役割を果たすだけでなく、消費者支出に大きく依存するフィリピン経済において、送金を受ける家庭の間での国内消費をけん引する役割も果たしています。
(出所:Business Inquirer)
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