2021/09/24
独立系不動産コンサルタント、ナイトフランクは、今後12か月間で、都市部の不動産は世界的に好ましい状態に戻るだろうと述べています。
2021年9月9日に発表された同社の「Global Buyer Survey」では、49の市場における900を超えるナイトフランクのクライアントを対象に調査が行われており、今後12か月で引っ越しを検討していると答えた回答者のうち、38パーセントは都市部のロケーションを探しており、33パーセントが郊外を選択していることが分かりました。
調査では、Covid-19がレジデンシャルバイヤーの購買活動に与える影響についても分析しています。
ナイトフランク・マレーシアの副マネージングディレクター、キース・オーイ氏は、マレーシア市場について、2021年第1四半期に取引活動に改善が見られたものの、クアラルンプールの平均住宅価格は、3.1%減と買い手市場だったとコメントしています。
オーイ氏は、この要因として、パンデミック期間、バイヤーも投資家も「様子見」の姿勢を取ったことで、在庫がたまる一方で需要が弱かったことを挙げています。
対照的に、ペナンの平均住宅価格はレジリエンスを見せ、複数の景気刺激策および国家レベル・州レベルでの持ち家キャンペーンのもとでの取り組みに支えられ、0.2%上昇しました。
今後について、オーイ氏は、住宅市場は全体として、2022年を通して徐々に回復するものの、価格は横ばいに近い状態となるだろうと予測しています。
この調査では、パンデミックが始まって以来、調査回答者のうちの19%が引っ越しをしており、これがオーストラリアと北アメリカでは25%に上ったことも分かっています。
また、引っ越しをしなかった人のうち、20%は、パンデミックが続くものの2021年内の引っ越しを考えているようです。
さらに、回答者のうち46%は一軒家やヴィラを購入する可能性があると答えているものの、アパートメントの需要は19%増加しています(2020年は12%)。
ナイトフランクは、「より大きく広々としたアパートメント、通勤用の小さめのユニット、双方への需要の高まりを反映している」と説明しています。
加えて、調査では、スキー用別荘志向も高まっており、2020年の11%から2021年には18%まで増えたことも分かりました。特に、北アメリカおよびアジアのバイヤーからの需要が世界平均を超えているようです。
また調査の回答者のうち、3分の2以上が、自宅の価値が、今後12か月間で1~9%上がることを期待しています。自宅の価値が下がると答えた人は14%でした。2020年には56%の回答者が価格が軟化すると答えているのとは対照的な結果となりました。
上記は、ナイトフランクの「Prime Global Forecast」の世界の住宅価格が2021年に平均2%増加するという予測とも方向性が一致しています。
(出所:New Straits Times)
(画像:Image by Jörg Hertle from Pixabay)
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