2021/06/22
[マレーシア] 不動産各社の第1四半期の業績好調
コロナウィルス大流行に伴う不確定性にもかかわらず、不動産デベロッパー各社は、2021年3月31日で終了した第1四半期、より力強い売上、利益を記録しました。
Sime Darby Property Bhd(サイム・ダービー・プロパティ)
2021年第1四半期、純利益は、昨年同期の272万リンギット(約7,208万円)から大幅増の6,061万リンギット(約16億617万円)となりました。不動産開発部門の回復に支えられました。
収益もまた、4億7,674万リンギット(約125.3億円)から23.7%増の5億8,949万リンギット(約156.2億円)となりました。
売上は、6億3,020万リンギット(約167億円)ですが、未請求の収益および予約販売は、それぞれ17億リンギット(約451億円)、8億リンギット(約212億円)となりました。
不動産部門は、第1四半期、かなり収益が改善して9,640万リンギット(約25.5億円)となり、前年同期比で10倍以上となりました。
2021年第1四半期の素晴らしい業績について、サイム・ダービー・プロパティグループのアズミール・メリカン・アズミ・メリカン社長は、力強いデジタルマーケティングの成果が、同期間に発売開始した物件について健全な成約率90%超につながったとコメントしています。
同社は、2021年の売り上げ目標24億リンギット(約636億円)に向けて、順調な滑り出しだと語っています。
一方で、メイバンク投資銀行は、目標価格69セン*をそのままに、サイム・ダービー社の収益予測と格付けを変更なしとしています。(*1リンギット=100セン)
メイバンク投資銀行は、6月1日から国内全土で行われているロックダウンが、不動産株式の購買意欲に影響するのではないかと述べています。
Mah Sing Group Bhd(マー・シン・グループ)
マー・シン・グループの純利益も、前年同期の2,871万リンギット(約7.6億円)から40.3%増の4,028万リンギット(約10.7億円)となりました。不動産開発部門の貢献分が増えたことによるものです。
第1四半期の収益は、前年同期の3億7,113万リンギット(約98.3億円)から11.37%増の4億1,332万リンギット(約109.5億円)となりました。主に、既存のプロジェクトの工事が進み、段階的な収益認識が進んだこと、建設工事契約の締結に当たってコスト削減ができたことによるものです。
不動産販売による売上もまた、2021年1月~5月で6億5,050万リンギット(約172.4億円)を達成、第1四半期では4億リンギット(約106億円)でした。
マー・シン・グループは、戦略的なロケーションにおけるアフォーダブル住宅への堅調な需要によって達成できたものだと説明しています。
デジタルマーケティングを積極的に採用していくことで、グループは2021年販売目標の16億リンギット(約424億円)に向けて有利な立場を維持しています。
CGS-CIMBSecurities Sdn Bhd(CGS-CIMB セキュリティーズ)は、マー・シン・グループの収益は、最初の活動制限令(MCO 1.0)の時と比べて影響は最小限にとどまるだろうと述べています。というのも、国内全土で行われるロックダウンの間も、建設現場では60%の収容定員で建設を続行することができるからです。また、モデルルームをロックダウンの間閉鎖することになっても、販売・マーケティング用にデジタルプラットフォームが活用されるだろうことも挙げています。
Sunway Bhd(サンウェイ)
2021年第1四半期、11.6億リンギット(約307.4億円)の売り上げを計上しました。これは、2020年第4四半期の3.57億リンギット(約94.6億円)よりも多くなりました。売上を主にけん引したのは、シンガポールのプロジェクトです。第1四半期の販売が好調だったことで、2021年の販売目標16億リンギット(約424億円)を超える勢いになりそうです。
LBS Bina Group Bhd(LBSビナ・グループ)
2021年第1四半期の純利益は2,515万リンギット(約6.7億円)で、前年同期の934万リンギット(約2.5億円)から大きな伸びを見せました。一方で、収益は4億255万リンギット(約106.7億円)で、前年同期の2億9,927万リンギット(約79.3億円)から35%増となりました。
不動産開発部門が収益86.3%増の3億9,040万リンギット(約103.4億円)であったこと背景に、税引き前利益では37%増の5,460万リンギット(約14.5億円)を達成しました。
プロジェクトの成約率が良かったことに加えて、期間中、活動制限令(MCO)の規制が緩和されたことで順調に工事が進んだことが好調な業績につながったと説明しています。
SP Setia Bhd(SPセティア)
2021年第1四半期も好調でした。売上額は11.9億リンギット(約315.4億円)でした。うち78%は国内プロジェクトの売上、残り22%は海外プロジェクトで、特に最近では、シンガポールのレジデンシャル物件に人気が集まりました。
SPセティアの収益は10.5億リンギット(約278.3億円)、税引前利益は1億4,240万リンギット(約37.7億円)となりました。
UEM Sunrise Bhd(UEMサンライズ)
2021年第1四半期の収益は2億5,269万リンギット(約67.0億円)で前年同期の1億9,585万リンギット(約51.9億円)から伸びを見せました。段階的な請求を実施したこと、国内開発物件の建設工事の進行が大きな理由です。
同期間の純損失は、1年前の2,215万リンギット(約5.9億円)から大幅に縮小して432万リンギット(約1.1億円)となりました。増収に加えて、為替差益が貢献しました。
ヌグリスンビラン州セレンバンの、ホライゾン・ヒルズ、フォレスト・ハイツといった開発による、関連会社・子会社収益もまた業績に貢献しました。
今後について、UEMサンライズは、2021年3月末時点で19億リンギット(約503.5億円)の未請求の売り上げがあるため、収益の見通しは明るく、今後18~36か月で、プロジェクトが段階的に完成していくにつれて、大部分が認識されることになるだろうとのべています。
また同グループは、対象期間に行った追加借り入れなどにより、2021年3月31日時点での純負債比率もわずかに上昇し0.44倍となったものの、現金残高は15億リンギット(約397.5億円)と財務的に安定した状態を保っています。
(画像:Image by photosforyou from Pixabay )
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