[ベトナム] 不動産デベロッパー各社、本格的に再始動

2021/11/25


ロックダウンの解除を受け、建設工事や新規プロジェクトが再開されており、不動産デベロッパーの見通しは明るくなってきています。



オンラインニュース「Vietnam Investment Review」は、外国人投資家のベトナム市場に対するセンチメントは依然として非常に前向きだ、と報じています。



香港を拠点とするスワイア・プロパティーズ(Swire Properties)のベトナム代表、ヘンリー・ボット氏は、「Covid-19が引き起こした様々な問題にもかかわらず、ベトナムの社会経済ファンダメンタルズは堅調で、ベトナムにいる外国企業は、楽観とオポチュニティを肌で感じることができるだろう」と述べています。



スワイア・プロパティーズは、現在、ベトナム国内のパートナー「レフィコ(Refico)」と、ホーチミンシティ内のトゥードゥック市の高級レジデンシャルプロジェクト、「リバー・トゥ・ティエム(River Thu Thiem)」の第1期を調整中です。



ロックダウンによる工事停止を乗り切り、建設工事が再開されています。ボット氏は、政府が10月に経済の再開を決めたことで、市場は立ち直りを見せているようだと述べています。「すでに主要な開発プロジェクトも新規プロジェクトの発売も再開しており、今のところバイヤーからの反応も上々のようです。2022年初旬には新しいレジデンシャルプロジェクトがいくつか立ち上がり、今後さらなる繰延需要が市場を支えるだろうと見ています。」と話しています。



一方で、ロッテグループ(韓国)の子会社、ロッテ・プロパティーズ(Lotte Properties)は、ホーチミンシティの9億ドルプロジェクト、「トゥティエム・エコスマートシティ(Thu Thiem Eco-smart City)」の公式再開日に向けて準備を進めています。このプロジェクトは管轄当局の再査定が入って、何年も遅れていました。



ロッテ・プロパティーズの代表者は、鍬入れ式の日付について断言していませんが、すでにホーチミンシティの人民委員会と11月に入って会合を開き、プロジェクトの再開日を決めたという情報もあります。



10月、ロッテ・エコスマートシティは、再開に向けた手続きについて当局からガイドラインを受けた最初のプロジェクトのうちのひとつでした。



キャピタランドグループ(シンガポール)の不動産開発部門、キャピタランド・デベロップメント(CLD)は、2021年11月6日に、2つの主要新規プロジェクトを発表しました。ハノイの「ヘリテージ・ウェスト・レイク(Heritage West Lake)」とホーチミンシティの「ディファイン(DEFINE)」です。ロナルド・テイCEOは、ベトナムは同社にとって中核となる市場の一つだとコメントしています。



「これら2つのレジデンシャルプロジェクトが加わることで、CLDのベトナム国内のレジデンシャルプロジェクトは14件、7,300戸超となります。ベトナムの長期的な見通しには強気な見方をしており、物流施設、データセンター、ビジネスパークといった経済的な資産など、国内のプレゼンスをさらに拡大していきたいと考えています。」とテイ氏は述べています。CLDは、国内企業や当局と提携して、ベトナムのマルチセクターでの不動産プレゼンスを深めるべく、マスタープラン企画や都市開発のオポチュニティを探っているところだということです。



2021年の第4四半期には、国内デベロッパー各社が顧客を取り込むべく、複数プロジェクトを導入しています。ナムロン・グループ(Nam Long Group)は、「フローラ・ミズキ(Flora Mizuki)」「Eホーム・サウスゲート(EHome Southgate」、「イズミ・シティ(Izumi City)」など、複数のレジデンシャルエリアを発表しました。



ヴァン・フック・グループ(Van Phuc Group)もまた、トゥドゥックの「ヴァンフックシティ」プロジェクト内に湖の見えるタウンハウスや、リバーサイドのヴィラなど、年末に向けた販売プロセスを進めています。



ヴァンフックグループの代表者は、「約1,000人の労働者が、住宅や複合インフラシステムの仕上げ工事を再開しており、年末にはバイヤーに引き渡しができる予定です。」と話しています。



ノヴァランド(Novaland)も、ドンナイ省の「アクアシティ(Aqua City)」、ビントゥアン省の「ノヴァワールド・ファンティエット(NovaWorld Phan Thiet)」などのプロジェクトの販売を進めています。



一方で、CBREベトナムのデータによると、2021年に発売されるアパートメントはホーチミンシティが約13,000戸、ハノイで17,000戸と予測されており、それまで毎年それぞれ35,000戸ほどだったのと比較するとかなり低いレベルとなりそうです。




(出所:Vietnam Investment Review