[ベトナム] 不動産各社はコロナ後の活動再開

2020/06/12

[ベトナム] 不動産各社はコロナ後の活動再開


不動産会社各社は、5月初めより徐々に、物件販売を再開し、ポストコロナのビジネスプランを公開し始めています。


ベトナム建設省が発表したデータによると、2020年第1四半期、デベロッパーの80%ほどが販売活動の停止または営業の一時停止をした一方で、残りはささやかに活動を続けて来たようです。


不動産取引量は、2019年同時期の40%程度に落ち込みました。2020年第1四半期に市場に投入された商品のうち14%しか売れず、過去4年間で最低レベルとなりました。


しかし、不動産業界はポストコロナの回復期のオポチュニティにあやかろうと、準備を始めています。


5月初旬、ベトナム最大の時価総額を誇るヴィングループの子会社、ヴィンホームズ社(Vinhomes Company)は、ハノイ・ザーラム区にあるヴィンホームズ・オーシャン・パークのアパートメントS1.08タワーの販売を開始しました。

(出所:Vinhomes


不動産セールスイベントで初めて、ライブストリーミングやオンライン取引が利用され、1時間強で、売りに出されたユニット総数の50%に相当する250戸のアパートメントが売約済みとなりました。


ノヴァランド・グループ(Novaland Group)もまた、ドンナイ省ビエンホア市のアクア・シティの販売を開始しています。1,800ヘクタールのこのプロジェクトは、おもにヴィラタイプの住戸で構成されており、ドンナイ省最大規模の不動産プロジェクトと言われています。


フンティン社(Hung Thinh Corp)は、ビンズオン省ディアン市で、96ヘクタールのプロジェクトの販売を第3四半期に開始する計画です。


このプロジェクトでは、住宅3,000戸、オフィステルと呼ばれる商用・住居用の多目的ユニット12戸、ショップハウス53戸が建設される予定です。


専門家は、ベトナム不動産市場はCovid-19パンデミックの結果として若返りのプロセスに入り、新しい成長のサイクルを待っている状態だと言います。


弱小企業にとっては厳しい時期ですが、財務的に余裕がありプロ意識の高い会社にとっては、パンデミックは単に短期的な問題となったにすぎず、新しいオポチュニティを創造していくであろうと言われています。


ダン・ヴェト・グループのチャン・レー・タン・ヒエン会長は、不動産市場の困難は一時的なもので、長期的には大きな発展の可能性を秘めていると話しています。


不動産会社、特に財務状況が健全な会社は、土地の取得を進めるときです。


ノヴァランド・グループは、今や5,000ヘクタールの土地を所有し、今後数年にわたって、ホーチミンシティとその周辺で40以上の不動産プロジェクトを開発していく計画です。


アジアン・ホールディング社のジェネラル・ダイレクター、グェン・ヴァン・ホウ氏は、不動産会社は市場のショックに耐えうる回復力と柔軟性を高めていかないといけないとコメントしています。


困難な状況ではあるけれども、市場には明るい兆しが見えるとグェン氏は言います。


専門家によると、このままベトナム国内のCovid-19の抑え込みができれば、不動産市場は今年後半で活気を見せ始め、大型の新規プロジェクトや、バイヤーのニーズに合わせた多様化された商品の投入がみられるだろうということです。

(出所:Vietnam Investment Review

(トップ画像:Anz Design on Unsplash)