2021/06/29
[ベトナム] プロップテック、力強い成長に向けて
不動産業界における技術が進歩し、需要が高まるにつれて、プロップテックもまたフィンテックと同様に発展していくだろうと専門家は述べています。
不動産テクノロジーを指すプロップテックは、ベトナムで力強い発達を遂げており、多くのスタートアップ企業が起こり、大手からの投資を呼び込み、市場の需要に応えるべく多くのサービスが開発されています。
不動産総合サービス会社、サヴィルズ・ベトナムの専門家は、この市場の新興にはいくつかの理由があると説明しています。国が多くの人口を抱えていること、国が持つ問題がプロップテックで解決できそうであること、そして国民がテクノロジーを利用できることです。
ヴィナキャピタル・ベンチャーズのパートナー、ホアン・ドゥック・チュン氏は、プロップテックはフィンテックと同様の方法で発達するだろうと考えています。つまり、テクノロジースタックが開発され、構造上の弱みや非効率な部分を解決するために進化し、そしてすべての市場のステークホルダーの交わるところにいる、ということに基づいているということです。
チュン氏は、「新しい流れを作るもの、成長をけん引するものは、リソーセスや資金を最適化し、まとめあげて、業界の標準やカスタマーエクスペリエンスを向上し、透明性とデータセキュリティを保証するような、破壊的なソリューションを創造し、提供できる会社でしょう。」と述べています。
チュン氏は、市場の成長は、力強い経済、加速する都市化と所得の増加にあるとして、これらが不動産市場の需要を押し上げていくだろうと述べています。
「この成長は、「プロップテック」として知られる、デジタル化と破壊的なテクノロジーインフラの整備にも拍車を掛けています。」
チュン氏によると、プロップテックは近年、国の若者やテクノロジーに精通した人々を中心として、ベトナムでかなり普及してきています。
何百というプロップテックのスタートアップ企業や従来からの不動産会社が、テクノロジーを活用して、住宅の売り買い、賃貸そして暮らしのエクスペリエンスを強化するための効果的なソリューションを提供することで、オペレーションと競争力を高めようとしています。
有名なアプリやプロップテックの商品には、Saas、Propzy、Go2Joyベトナム、Citics、Homebase、A.プラスホームなどがあります。
これらは外国からの投資獲得にも成功しています。
例えば、プロップテック業界のリーダー的存在で、透明性の高いオンライン不動産サービスを提供するPropzyは、3,700万USドル(約41億円)の資金を調達しました。
プロップテックに投資した理由について、ヴィナキャピタル・ベンチャーズのシニア投資マネジャー、ドアン・レ・ミン・チー氏は、プロップテックの発達を観察する中で、不動産市場が成長を続け、デジタル化のトレンドが加速していることを受けて、そこに大きな可能性を見出していると説明しています。
ヴィナキャピタルのプロップテックへの初の投資となったのは、取引プロセスをよりスムーズにするためのインフラを作った、Reverへの出資です。そのソリューションは、データ正確性に関する業界のベンチマーク、物件が市場に出ている日数とエージェントの効率性を上回りました。
最近では、ヴィナキャピタル・ベンチャーズは、Homebaseにも投資をしています。こちらは、レント・トゥ・オウン(rent-to-own、購入選択権付きレンタル)と呼ばれる支払いオプションをミレニアルや非銀行使用者層向けに提供して、マイホームの夢を実現する手伝いをしています。
両社とも、ベトナムの不動産市場の長年の弱みに対応しています。
「これらの会社に投資したのは、運用上のノウハウに優位性のあるテクノロジースタックを有しており、購入プロセス、つまりスクリーニングから物件巡り、法的チェック、資金調達や関連書類作成など、住宅を所有するために必要なプロセスにおいて住宅購入者の役に立つことを目指しているからです。」
「これらのサービスが手ごろな値段提供されており透明性も高いので、より高レベルなカスタマーサービスが提供できているのです。ReverとHomebaseがそれぞれのセグメントをリードする優位な立場に立っていると強く信じています。」
プロップテックへの投資は、その将来の有望性を証明してきました。
プロップテックの効率性について、PropzyベトナムのCEOであり創立者でもある、ジョン・レ氏は、プロップテックなしでは成し得なかった特定のビジネスプロセスを可能にしたことで、同社のテクノロジーSAMは大きな影響力を持っていると述べています。
「このテクノロジーは、セールスチームを連携させ、お互いが協力してベストな結果を導き出せるようになっています。この場合は、買い手から売り手まで不動産取引であり、セールス担当の最高のパフォーマンスを引き出すことができる資産です。」と述べています。
「他の発展市場では、不動産購入者が実際に物件を見ないで購入決定を行うことができるという成功例がありますが、ベトナムではまだまだ先でしょう。」
「とはいえ、希望の光もあります。それは高層、つまりコンド市場です。この市場は、全体の市場に対してかなり成長しているので、バーチャルツアーやバーチャル購入の採用が、比較的早く実現するかもしれません。」
(出所:Vietnam Plus)
(画像:Image by Pete Linforth from Pixabay )
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