2022/11/23
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)は、2022年11月17日、75ベーシスポイントの利上げを行い、今後さらなる利上げの可能性も示唆しました。ペソ安とインフレの高止まりが、経済への脅威となり得る可能性を懸念しました。
フェリペ・メダーリャ総裁は、今月初め、すでに75ベーシスポイントの利上げに賛成する旨を表明していましたが、通貨の下落を止めるために、大幅な利上げが必要だったと強調しています。
中央銀行の最新の予測では、インフレは2024年まで、政府の目標幅である2~4%に戻ることはありません。今年については5.8%、来年は4.3%の予想です。
メダーリャ総裁は、第3四半期に7.6%という期待以上の成長率を記録したフィリピン経済がさらなる利上げに耐えられるだけの力があると自信を見せています。
今年6回目となる11月17日の利上げで、中央銀行の翌日物のリバースレポ金利は5.0%となり、過去14年間弱で最も高い金利となりました。対する米国の連邦準備制度は3.75%~4%です。
メダーリャ総裁は、連邦準備制度理事会の動きと合わせ、アメリカとフィリピンの金利差が急激に狭まることを防ぐために、今回のような大きな一手に出る必要があったと述べています。
金利差の狭まりを受けて、フィリピンペソはこれまでに米ドルに対して11%下落しています。また、燃料その他輸入品のコストがあがったことで、フィリピン国内のインフレは加速し、10月にはこちらも過去14年弱で最高となりました。
メダーリャ総裁は、今回の利上げと、7月の75ベーシスポイントの緊急利上げの後、中央銀行は今後、積極的なスタンスをやや緩めていくとも話しています。
しかし、連邦準備制度の利上げは続くと見られていますので、エコノミストたちは、中央銀行が引き締めを続けると予想しています。
フィリピンアイランド銀行のエコノミスト、エミリオ・ネリ氏は、、アメリカが5.25%に利上げすれば、フィリピンの翌日物の借入金利は6.0%を超えてくるだろうと話しています。
(出所:Reuters)
(画像:UnsplashのLance Lozanoが撮影した写真)
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