[フィリピン] 証券取引所アヤラランドREITのIPOを承認

2020/07/24

[フィリピン] 証券取引所アヤラランドREITのIPOを承認


フィリピン証券取引所は、フィリピン証券所初の上場REIT(不動産投資信託)となるアヤラランドのAREITの新規株式公開を承認しました。


フィリピン証券取引所のラモン・モンゾン社長兼CEOは、この出来事は資本市場のマイルストーンになるとして、コロナ流行の中、AREITの上場が、他の不動産会社の上場も促してほしいと希望を述べました。


REITの最大の売りは、REITが配当可能利益の少なくとも90%を配当することが義務付けられていることです。


このような投資家にとってのREIT投資する魅力以外に、経済活動が強化されることで、景気に前向きな乗数効果を与えるのではないかとモンゾン氏は考えています。


REITは、オフィススペースやショッピングモール、サービスアパートから、ホテルや倉庫まで、収益を生み出す不動産に主に投資をする法人です。デベロッパーではなく、完成物件に直接投資する機会を投資家に与えるものです。デベロッパーは一方で、この仕組みを使って、将来の不動産開発や拡張計画などのために資本を再利用することができます。


モンゾン氏は、このようにREITが病院、セルタワー、空港、港湾、インフラ開発など、幅広いタイプの資産を所有できることから、政府の「ビルド・ビルド・ビルド」プログラムの活性化につながると述べています。


「証券取引委員会のREIT規則の再投資条項がありますので、特定の活動から得られた収益を国内の不動産やインフラプロジェクトに再投資することが促されます。」とモンゾン氏は言います。


国内の小口投資家の参加を促すため、AREITの売り出しには、小口投資家枠があり、売り出される株式の10%は小口投資家に割り当てられることになっています。


AREITは、5億257万株を売り出す予定です。うち、オーバーアロットメント・オプションが45,688,700株となっています。ベースオファーは、一次普通株式4,786万株と、二次普通株式4億902万株となっています。



当初、AREITの気配値の上限価格は1株当たり30.05ペソでしたが、ブックビルディングを経て、最終公募価格は1株当たり27ペソとなりました。


これによりREIT売り出しのベースが固まって123.5億ペソとなり、オーバーアロットメント・オプションを含めると135.7億ペソ調達できることになります。



AREITの売り出し期間は、7月27日から8月3日となる予定です。


AREITの資産は、ソラリス・ワン、アヤラ・ノース・エクスチェンジ、マッキンリー・エクスチェンジの3つの商業ビルで構成されています。今回の株式売り出しで調達した資金で、アヤラランドの100%子会社ALOプライム・リアルティから、テレパフォーマンス・セブ(Teleperformance Cebu)を取得する予定ということです。


(出所:PhilstarBusiness InquirerManila Standard

(トップ画像:Chris Liverani on Unsplash )