タイでコンドミニアム・不動産を購入する際の注意点!3つのポイント

2017/12/04

この記事の3つのポイント

タイでは、外国人名義での土地取得・登記は認められないが、コンドミニアムはビザを持たなくても購入可能
コンドミニアムの外国人所有は、全体面積のうち49%
外国人はタイ国内での住宅ローン利用が原則不可



▶前回の記事:政治・経済からみた投資環境(タイ編)



前回はタイを政治と経済、および人口の観点からご紹介しました。


今回は、タイで外国人が不動産を購入することについて、詳しくご紹介します。




不動産購入の条件


タイでは、外国人名義での土地取得・登記は認められていませんが、コンドミニアムと呼ばれる物件は、ビザを持たない海外在住の外国人でも購入することが可能となっています。



■外国人が所有できる物件


コンドミニアム:日本で言うところの、分譲マンション。


外国人によるコンドミニアムの所有は、1棟のコンドミニアムに対して購入面積割合が外国人49%、タイ人51%と定められています。


外国人本人の名義で登記が可能です。




■外国人が所有できない物件


戸建て住宅・タウンハウス:3階建て~4階建てが中心の長屋形態。


土地付き、車庫付きが一般的です。


また、土地を借りて家を建てることは可能となっています。


土地リースは、最長30年の長期契約と2回の更新で、最大90年間まで認められています。


なお、タイでは外国人が購入する際の最低購入価格等は定められていません。


高級コンドミニアムに限らず、ローカル向けの低価格帯の物件を購入することも可能です。




物件を決める際の注意点


コンドミニアムの外国人所有は、タイの法律で全体面積のうち49%までと決まっています。


購入前に、他の外国人購入分でこの上限を超えていないかどうかを確認しましょう。


この比率が上限に近いと、転売する際に他の外国人が登録されていて上限を超えてしまい、転売ができないという事態が発生しないとも限りません。



さらに、コンドミニアムの土地の所有権も確認しましょう。


重要なポイントは、開発会社の自社所有になっているのか、所有権は他者にあって「長期リース契約」になっているのかどうかです。


「長期リース契約」の延長が必ずしも保障されていないことや、転売する場合に残存リース期間が少なくなる、という点には留意する必要があります。




手続きの流れと注意点


不動産購入の手続きと、その注意点について見ていきましょう。



新築物件の場合


「プレビルド」と呼ばれる建設予定や建設中の新築物件の場合は、購入物件を決定後に手付金を支払います。


契約書を締結した後に頭金を支払い、物件が完成するまで、分割で支払いを行い、登記となります。


不動産登記は、管轄エリアの土地局に出向いて手続きを行います。


なお、タイでは建設計画が完成し、タイ当局より建築許可が下りた段階で販売が始まります。




既存物件の場合


購入物件を決定後、申込金を支払います。


通常は、物件価格の10%程度と言われています。


残金を振り込む場合、海外送金が必要となりますので、タイの受け取り銀行で海外送金証明書と小切手を準備します。


その後、登記が行われますが、登記は1ヶ月ほどで完了することが一般的のようです。



なお、外国人はタイ国内での住宅ローン利用が原則的に不可となっています。


外資銀行の場合はタイ窓口で申し込み、国外でローンを組む方法が取られています。



海外送金の手続きについて、通常は日本の金融機関から日本円で行いますが、他の外貨でも問題ありません。


タイ政府が外国人によるコンドミニアムの購入を認めている主な理由は、外国からの資金を期待してのこと。


このため、資金が外貨で海外から入ってきたことを証明する書類である「外貨送金証明書」が重要になります。


これは、資金がコンドミニアム購入用で、タイに外貨で送られてきてタイの銀行で両替された、ということを証明するものです。



送金手続きを行う際には、以下のポイントを押さえる必要があります。


・送金目的は「コンドミニアム購入」と明記

・外貨でタイの銀行に送金

・送金者名と購入者名が一致

・土地局に届け出る金額に相当する額を送金




送金の注意点


タイの金融機関に自分名義の口座が無い人は、物件見学の際などに口座を開くことを検討するのも良いでしょう。


送金の金額が不足すると、購入に必要な金額の証明ができなくなるため、為替換算レートで見て、多めに送金しておくと安心です。



また、送金日数には余裕をもって行うと良いでしょう。


海外送金証明書作成は、通常1日ですが、登記の数日前に完了しておくと安心です。



なお、自己居住用にコンドミニアムを購入した場合、タイ国内における固定資産税や相続税といった税金は発生しません。


管理費と共益費などが維持コストとなります。




留意点


タイでは、不動産投資熱が高まっており、首都のバンコクでは、コンドミニアムやオフィスビルが乱立している状態です。


バンコクの中心では、特に高層コンドミニアムが売れていて、モデルルームが完成する前に完売することも多いようです。

 


そんなタイで不動産購入のメリットとデメリットの主なものは、以下の通りです。


・不動産購入のメリット

・新築コンドミニアムが多様な価格帯で販売されている

・税金等コンドミニアムの維持費が格安

・バンコクには交通網のの伸長計画等があるので、将来的に期待できる

・不動産購入のデメリット

・為替の変動リスク

・政治経済の変化のリスク

・自然災害のリスク



為替の変動リスクや、政治経済の変化に伴うリスクは、他の国でも存在し得る問題ではあります。


それ以外の留意点としては、自然災害に伴う物件の周囲環境の変化です。


タイの雨季は、排水システムを超える雨が降ることがあります。


物件の周囲でなかなか水が引かなかったり、地盤が緩んでしまったり、ということも…。


物件購入前に、周囲の洪水の程度や地盤の強度などを調べると良いでしょう。




次回は


タイでは現在、首都・バンコクを中心に交通インフラ整備が進められています。


郊外には大型商業施設の開発も進んでおり、バンコクとその周辺はますます活気のあるエリアになっていくことでしょう!



次回は、タイの不動産で人気エリアの紹介と、エリアごとの特徴などを紹介する予定です。


引き続きお付き合いください。



▶次回の記事:タイ不動産人気エリアマップ