[ベトナム]利下げで不動産市場に資本流入の見込み

2023/06/21


ベトナム不動産業者協会(VARs)は、ベトナム国家銀行(SBV)が行った最近の利下げにより、数兆ドンの貯蓄が不動産市場に流入する可能性があると述べています。



▼政策金利の推移(出所:Trading Economics




不動産市場への資本の流入は、従来から不動産販売に依存している建設資材、機械、設備、家具、労働力を含む数十の産業に生命線を与えることになります。



政府は、2023年第2四半期以降、市場に追加資金を供給するための追加政策の実施を示唆しています。



一方、地方自治体には、不動産プロジェクトが軌道に乗るよう、法的ボトルネックの解消に向けた取り組みを強化するよう指示が出ているということです。



市場の回復を後押しする要因としては、金利の引き下げ、商業銀行によってデベロッパーが必要とする資本注入はもちろん、新規プロジェクトの開始や進行中のプロジェクトのための資金へのアクセスが開かれたことなどが挙げられています。



VARsのグエン・ヴァン・ディン会長は、信用の余地が広がり始め、市場に追加資本が流入していることから、近い将来、回復局面を迎える可能性があると述べています。会長は、従来から不動産はベトナムの投資家の間で好まれる投資チャネルであり、他よりも高いリターンをもたらすことが多かったと付け加えています。



また、昨年中に価格が大幅に冷え込んだため、今は投資家が良い物件を探し始めるには良い時期だとも述べています。



VARsによると、中央銀行と政府による金融引き締めは鈍化の兆しを見せており、早ければ2023年の第2四半期には緩和の動きが始まる可能性があるということです。資本流入も第3四半期までに期待できる、グエン会長は述べています。



昨年、銀行システムにおける企業と個人の預金総額は900兆ドン(約5.4兆円)に達し、個人が565兆ドン(約3.4兆円)以上を占めました。2023年の第3四半期は、預金の大部分が満期を迎え、投資家がより収益性の高い投資先を探すため、重要な時期になります。



VARsによると、不動産ブローカーからの報告は、これまでのところ好調で、市場では取引が増加し始め、顧客からの問い合わせも増えてきているということです。




(出所:Vietnam Plus