2020/08/07
[マレーシア] 住宅市場は不安定、倉庫は好調
専門家によると、国内の不動産供給は増加が見込まれる一方で需要は減少し、不動産市場は引き続き「非常に不安定」な状況が続くようです。
しかし、商業不動産は好調です。供給が限定的なことと、オンライン取引用に商品を保管しておく必要性が高まっていることから、倉庫スペースの需要は増加しています。
不動産コンサルタント会社のCEO、シヴァ・シャンカー氏は、マレーシアがロックダウンに入り、Covid-19危機で何が起こるか分からない状況から、住宅市場はパニックに陥ったと述べています。
レジデンシャル不動産が最も不安定なセグメントとなっています。供給が高い反面、需要は鈍い状態が続いています。シヴァ氏は回復までにはしばらくかかるだろうとして、9月に6か月間の住宅ローン猶予期間が終了したあとの市場の反応を見ていく必要があると述べています。
一方で、工業不動産は好調のようです。シヴァ氏によると、供給が限定的なこと、そしてオンライン取引用の商品の保管ニーズが高まっていることから、倉庫の需要がますます高まっています。
■投資の機会ととらえる投資家も
シヴァ氏はまた、所有物件を売りに出すオーナーが増える可能性があることから、高い利回りを求める投資家にとってはメリットがありそうだと述べています。キャッシュフローの悪化に苦しむ会社もまた資産を売却する方向に動くからです。
しかし、良い投資物件については、利回りをベースに販売されるので、価格は安定した状態が続きそうです。
「オーナーからしてみれば、投資家が言い値で購入してくれない場合には、次の投資家、さらに次の投資家と当たることができます。そのような投資物件には、長期的な利回りがついてくるので、需要があるからです。」
シヴァ氏は、今物件を購入しておいて、市場が回復したら高値で売るという投資家の行動が今後多く見られるだろうと考えています。
シヴァ氏はまた、新築オフィスビルへの需要も高まっているが、景気の低迷から賃料が伸び悩んでいるため、古めのビルと同じコストで借りられる状況だとも述べています。
古めのオフィススペースのオーナーは、テナントを呼び込むために、改装してユニットのリブランディングを行うタイミングかもしれません。
シヴァ氏は銀行に対しても、個人、企業向けの融資返済の猶予期間を設けるべきだと提案しています。そうすることで、Covid-19流行の影響を緩和するのに役立つとしています。
(出所:Free Malaysia Today)
(トップ画像:chuttersnap on Unsplash )
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