[フィリピン] ロビンソンズランドREIT上場間近

2021/09/07


フィリピンを代表する不動産デベロッパーのひとつ、ロビンソンズランド(Robinsons Land Corporation)がスポンサーとなる、RL Commercial REIT, Inc. (RCR)の新規株式公開の最終提示価格が一株当たり6.45ペソ(約14.18円)となりました。


RCRの新規株式公開は、33.4億株の普通株に、3.05億株を上限としたオーバーアロットメントオプション付となります。売り出し価格をもとにすると、RCRの時価総額は642億ペソ(約1,411億円)となり、現在上場しているREIT各社の中では最大となります。


RCRの当初ポートフォリオには、425,315平米の総賃貸可能面積(GLA)があり、2021年6月30日時点の評価額は全部で739億ペソ(約1,625億円)となっています。これらも、現在上場しているフィリピンREITの中では、GLA、評価額ともに最大のポートフォリオです。



地理的カバーエリアも最大


14件の不動産から構成されるRCRの資産は、マカティ、BGC、オルティガス、ケソンシティ、マンダルヨンなど、メトロマニラの主要中心業務地区(CBD)に点在します。また、ナガ、タルラック、セブ、ダバオなど、国内の主要都市/都市エリアにもプレゼンスがあり、国内REITの中で地理的カバーエリアは最大です。


RCRは、RLCからのフルサポートを得ているだけでなく、RLCの高品質な今後の供給予定の物件へのアクセスもあります。RLCとRCRは、今後18か月間に40,000平米から100,000平米の賃貸可能面積を獲得することで覚書(Memorandum of Understanding)を締結しています。


RLCは、既存のオフィスやビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)用スペースをRLCの複数の商業センター内に抱えるだけでなく、建設中のプロジェクトもあります。全体として、RLCの今後の供給分からRCRに組み込める総賃貸可能面積は、約422,000平米と言われています。組み込むかどうかは、ファンドマネジャーの提言、市況、そして、RCR伸ビジネス状況、RCRの取締役会の判断、そして関係当局の承認によるところとなります。


土地賃貸期間も最長の99年


RLCによるRCRへのフルサポートは、RLCがRCRに対する土地賃貸期間を99年まで延長したことからもうかがえます。現時点ではフィリピンREITの中で、最も長い土地賃貸期間を有していることになり、長期的な持続可能性を提供し、将来の見通しが立てやすくなります。


RCRの資産は、高い稼働率とテナント料を誇っています。


フィリピンのオンラインニュースが報じているところによると、RCRの売り出し期間は2021年8月25日から9月3日、上場日は9月14日に仮置きされています。


RLCが売却株主として今回の売り出しから得る収益は、再投資計画に沿って、再投資されるということです。


BPIキャピタル・コーポレーションとUBS AGシンガポール支店が、売り出しのグローバル・コーディネーター、リードマネジャー、および共同ブックランナーを務めるということです。BPIキャピタル・コーポレーションが、国内の引受・売出し業務を行い、UBS AGシンガポール視点が海外のブックランナー業務を統括します。



(出所:Business Inquirer

(画像:Photo by Alexes Gerard on Unsplash)