2021/04/15
[フィリピン] 2020年4Qレジデンシャル不動産価格安定するもメトロのコンドはスランプ続く
フィリピン中央銀行によると、フィリピンのレジデンシャル不動産価格は2020年第4四半期やや上昇し、コロナウィルスパンデミックに関連する経済の不確定性により急落した前3か月から回復を見せています。
一方で、中央銀行がリリースしたデータによると、国内最大の不動産市場であるメトロマニラでは軟弱な状態が続いており、2期連続で、複数カテゴリーにおいて価格下落となっています。
▼レジデンシャル不動産価格インデックス(エリア別)(出所:フィリピン中央銀行)
黒:フィリピン全体、赤:マニラ首都圏、青:マニラ首都圏以外
中央銀行は、レジデンシャル不動産価格インデックスに基づくと、2020年第4四半期、フィリピンにおける複数のタイプの新築住宅で、レジデンシャル不動産価格が回復したと述べています。
特に、住宅価格インデックスが前年同期で0.8%増となり、住宅価格上昇率はプラスサイドに転じました。レジデンシャル不動産価格全体の上昇率は、メトロマニラ以外のエリアの上昇率に引っ張られる形となりました。
地方のコンドミニアムを除くすべてのタイプにおいて、2020年第4四半期、住宅価格は上昇を見せました。
中央銀行は、「一方で、メトロマニラの不動産価格のスランプは2期連続となっており、2020年第4四半期は4.8%の下落となった」とも伝えており、メトロマニラのコンドミニアムユニット価格の下落が、デュプレックス、タウンハウス、一戸建ての価格上昇を圧迫したと説明しています。
2020年第4四半期、デュプレックス、タウンハウス、一戸建ての価格は、それぞれ20%、16.1%、4.7%上昇しました。コンドミニアムユニットの価格は、8.4%下落しました。
▼住宅タイプ別の不動産価格インデックス(出所:フィリピン中央銀行)
緑:一戸建て、オレンジ:デュプレックス、紫:タウンハウス、黄:コンドミニアム
中央銀行によると、コンドミニアムユニット価格が対前年同期で下落するのはこれで2期連続ということで、メトロマニラと地方でのコンドミニアムユニットの価格の下落は、デベロッパーが新規販売開始を延期したり、パンデミックの間の一時的な住まいのため需要がパッとしなかったことなどによるものだと説明しています。
2020年第4四半期、フィリピン国内のすべてのタイプの新築住宅に対して承認された住宅ローン数は3.6%減少しました。メトロマニラでも同様のトレンドが見られましたが、一方で地方の方がより多くの住宅ローンが承認されました。
中央銀行のデータによると、国内の新築住宅ユニットの平米あたりの平均評価額は、同期間で16.8%縮小しました。
メトロマニラ、地方ともに、平米あたりの平均評価額は年間でも減少しました。特に、コンドミニアムユニットの査定価額の低下が見られました。
(出所:Business Inquirer、Bangko Sentral ng Pilipinas)
(トップ画像:Image by TheDigitalWay from Pixabay )
もっと詳しく知りたい方はこちら