2022/09/28
第32回東南アジア競技大会(通称:SEAゲームズ)2023まで9か月を切りました。数多くの輸送・インフラプロジェクトと結びつき、メディアの注目がカンボジアに集まり、観光や投資に多大なる影響を与えることが期待されています。
カンボジアは、2023年5月5日~17日で開催されるSEAゲームズのホスト国を初めて務めることになります。様々なスポーツイベントが国内各地で催されます。2023年6月に予定されている第12回アセアンパラゲームズも控え、組織委員会は、プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビル、ケップ、そしてカンポットを開催地として使う予定にしています。
前回のSEAゲームズはベトナムで開かれ、11か国から5,500人近いアスリートたちが、40種目526競技に参加しました。カンボジアは、40種目以上632競技を開催することを提案しています。
さらに、カンボジアは2029年のアジアのユース世代(14歳〜17歳)の選手を対象にした国際総合競技大会「アジアン・ユース・ゲームズ」の開催国にもなっています。
こういったイベントで使われる都市、特に首都プノンペンにおいて、これらの競技大会がレジデンシャル・商業不動産に与える影響をみていきます。
SEAゲームズとASEANパラゲームズでは、首都プノンペン、特にクロイ・チャンバにある新しいモロドク・テコ国立競技場は一気に注目を浴びそうです。開会式と閉会式が行われるだけでなく、多くの競技がここで行われることになります。
国立オリンピックスタジアムとOCICクロイ・チャンバ・エキシビションホールも使用されることになっており、政府は、SEAゲームズとASEANパラゲームズのために約3,000万ドルの予算を確保していると言われています。
カンボジアSEA Games組織委員会(CAMSOC)は、スタジアムのスポーツ選手村には5,000人から7,000人が収容できるとしており、メインスタジアムは6万人、アクアティックセンターは3,000人、マルチスポーツジムは5,500人が収容できます。
北京、アテネ、ロンドンなど過去のオリンピックのために開発された選手村は、競技会後はレジデンシャルコミュニティとなっています。
これは、投資機会はもちろん、将来的には国内外のバイヤーを不動産市場に呼び込むカギとなりそうです。
不動産ポータルrealestate.com.khのチーフエグゼクティブ、トーマス・オサリヴァン氏は、SEAゲームズでカンボジアの知名度は上がるだろうと述べています。近年、カンボジアには、中国、日本、韓国、シンガポール、米国、ヨーロッパ、オーストラリアなどからバイヤーや投資家が訪れています。
2023年SEAゲームズの恩恵を受ける物件は?
オサリヴァン氏は、SEAゲームズの恩恵を受ける物件として、プノンペン市内の以下の物件を挙げています。
◆Morgan EnMason
◆The Peninsula Private Residences
最後の「ワールド・ブリッジ・スポーツ・ヴィレッジ」は、8ヘクタールの土地を持つモロドク・テコ国立競技場の敷地内にあり、首都のCBDからも車で15~20分程度です。川に挟まれた競技場とスポーツ・ヴィレッジにアクセスするための橋がすでに4つかかっています。ヴィレッジ内には、ショッピングエリア、エンタメ・レジャーエリア、レジデンシャルエリアがあります。
▼モロドク・テコ国立競技場
また同じ地域には、サファリワールド、ウォーターパーク、18ホールのガーデンシティ・ゴルフクラブのコースもあり、それ以外にもゲームズを前に近年たくさんのアメニティが建設されています。
他に、SEAゲームズ2023では、以下の都市でも競技が行われる予定です。
シェムリアップ | サイクリング |
シアヌークビル | セーリングやジェットスキーなどの水上競技 |
ケップ州 | トライアスロン |
カンポット | カヌー、カヤック、その他ボート競技 |
SEAゲームズがもたらす、短期的/長期的な恩恵とは
FazWazカンボジアの国担当マネジャー、Sothavatey Mom氏は、SEAゲームズのホスト国になることで、短期・長期両方の恩恵があると考えています。「短期的には、ホテルや宿泊施設、レストランやバーが、訪問客やメディア、アスリートの流入による直接的な影響を受けるでしょう。不動産市場が受けるのは長期的な恩恵です。競技会の準備段階から競技会の間も、国際的なメディアに取り上げられますし、スポンサー企業を含め、国外から参加者が訪れます。」
オリンピックやSEAゲームズ、もしくはFIFAの大会のホストとなった他の国々では、世界的に投資家の間での認知が上がることで国外からの投資が増える傾向にあったといいます。カンボジアのような発展途上国がスポットライトを浴びることは、素晴らしい機会だとMom氏は話しています。
Mom氏は、カンボジア国内でも、プノンペンが最大の受益者になると考えており、王宮、川沿い、ワット・ダナック等の商業エリアの物件の販売が伸び、スタジアム周辺も客足が伸びると予想しています。
「クロイ・チャンバは今後10年、国道N6に沿って、低層物件の勢いが続くでしょう。短期的には、コンドミニアムやオフィス投資が多いと思いますが、長期的には、地域に住む人々の需要が増え、開発も多様化すると思います。」と述べています。
CAMSOCのVath Chamroeun長官は、メディア露出の重要性に同意します。「すべての国々に、カンボジアのスポーツの可能性を見ていただきたいです。到着して、我が国のインフラを見て、プノンペンの変わりゆく姿に気づくでしょう。平和の中、発展が円滑に進み、経済的に安定し、治安もよくなりました。それを見た人々が、カンボジアの真の姿を世界に伝えてくれるはずです。」と話しています。
(出所:Khmer Times)
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