2023年初め、ソウル市政府はアパートの高さ制限を廃止することを発表しました。韓国の首都ソウルのダイナミックなスカイラインを創るための一歩を踏み出した一方で、これはソウルの冷え込んだ住宅市場を支える可能性があります。

ソウル市の「2040ソウル計画」には、2013年に当時のパク・ウォンスン前ソウル市長が導入した、ソウル全域の新築住宅ビルの階数制限に直ちに終止符を打つことが盛り込まれています。

ソウル市は過去9年間、高さに関係なく35階以上のアパートを建設する計画を禁止してきました。

ソウル市の関係者は、今回の制限廃止は、より柔軟で創造的な都市景観を促進するためのものであると述べています。一方で、国内で最も人口の多いソウル市における空間の開放性を確保するため、都市部の密度を制限する規制は、引き続き残ることになります。

ソウル市都市計画局のチョ・ナムジュン局長は、「環境の急激な変化を反映し、都市計画を柔軟な方向へ移行させる」ことを意図していると語っています。

今回の高さ制限撤廃は、ソウルが2019年に取り組み始めた規制緩和型の都市計画の一部として行われます。ソウル市のオ・セフン市長は昨年3月に暫定計画を発表し、11月に法的手続きが完了しました。

また、この計画の下で、ソウルは柔軟な区画規制を拡大し、ソウル市内のより多くの地域で、都市の多様性を促進するため、土地を複数の用途に利用することを可能にすると約束しました。また、新しい都市設計により、ソウル市民は自宅からビジネスや娯楽のオプションにアクセスしやすくなり、すべて "徒歩30分圏内 "にあることになる。

この新しい都市計画は、ソウルの古い地域の再開発を促進する可能性があります。

現在、ソウルで再開発の対象になっているのは、江南区の狎鴎亭（アックジョン）と清潭（チョンダム）、松坡区の蚕室（チャムシル）、永登浦区の汝矣島（ヨイド）、陽川区の木洞（モクトン）、城東区の城西（ソンドン）など、収益性の高い地域です。

このような「都市再生促進地区」では、住宅再生の取り組みが実施され、より多くの住宅を供給することができるようになります。

今回の動きは、住宅市場における規制のハードルが立ちはだかり、著しい経済減速が懸念されるなかでのことです。尹錫烈（ユン・ソクヨル）大統領は、1月初旬の会議で、国土部に対し、「金利引き上げにより（不動産市場の）ハードランディングの可能性が高まっているため、需要側の規制を速やかに緩和しなければならない」と述べています。

ソウルでは、COVID-19の発生に伴う金融緩和からインフレと2022年の速いペースでの金利上昇に移行するまで、住宅市場の過熱が進みました。

韓国不動産委員会（Korea Real Estate Board）がまとめたデータによると、ソウルのマンション価格は1月1週目までで32週連続で下落、最も急激だった12月の最終週に単独で0.76％の下落となりました。ソウル市政府の別のデータでは、2022年の住宅取引は2021年の4分の1にまで縮小しています。

ソウル市では、6平方メートル以上の土地取引に自治体の許可を必要とする規制を解除する可能性があるなど、住宅市場の下落傾向に歯止めをかけるため、さらなる後続措置が講じられるかどうかに注目が集まっています。

ソウルはこれまで、江南区、松坡区、瑞草区、陽川区、永登浦区、城東区の一部を「土地取引許可地区」に指定し、こうした取引を制限してきました。

一方、中央政府によるソウル全域の住宅ローン規制緩和が同じ1月1週目に施行され、瑞草区、江南区、松坡区、龍山区などの有利な地域が除外されました。

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（出所：Korea Herald）

（画像：UnsplashのRonald Langeveldが撮影した写真 ）