[シンガポール] サーキット・ブレーカー措置を段階的に緩和

2020/05/05

[シンガポール] サーキット・ブレーカー措置を段階的に緩和



2020年5月2日、シンガポールは、コミュニティ内感染者数が減少してきていることを背景に、新型コロナウィルス(Covid-19)感染拡大抑制のための外出自粛措置「サーキット・ブレーカー」を、段階的に緩和することを発表しました。


ガン・キム・ヨン保健相は、バーチャル会見にて、2週間ほど実施してきたより厳しいサーキット・ブレーカー措置により、コミュニティ内感染数が減少してきていることに言及、5月12日よりいくつかの事業について営業を再開すると述べました。数週間にわたって、特定の活動が段階的に再開されます。


省庁横断的なCovid-19マルチタスクフォースの共同議長ローレンス・ウォン国家開発相が発表によると、自宅で食品を作って販売するビジネス、特定の食品小売店、食品製造会社は、5月12日から営業を再開することができます。

また、5月から、国家試験を受け卒業する学年に重点を置いて、学生を小規模のグループに分けてセーフ・ディスタンシングを実施しつつ、対面授業に戻していきます。

中国伝統医学(TCM)医師が「エッセンシャル(必要不可欠)」だと査定された場合、痛みを和らげる治療に限り、TCM鍼治療が5月5日より許可されます。これには、カッピング、灸治療、グアシャ、中国式マッサージなどは含まれません。

登録されたTCM医師のいるTCM診療院では、すでに許可されている診察、漢方処方サービスに加えて、小売商品を販売することもできるようになります。


5月5日より、コンドミニアムなどの区分所有プライベートレジデンシャルに住む住民は、コンドミニアム内の共有エリアでエクササイズが可能になります。

しかし、公共エリアで適用されるのと同じセーフ・ディスタンシング措置が、プライベートレジデンシャルの共有エリアでも守られなくてはなりません。

政府の監視員(enforcement officer)が定期的に立ち入り検査をし、ルールが守られているかをチェックします。しかし、レジデンシャルのマネジメント組合(Management Corporation(MCST)とマネジメント担当者にも協力を呼び掛けています。

プライベートレジデンシャル内のプレイグラウンド、プール、ジム、バーベーキュー場やクラブハウスといったスポーツ、レクリエーション関連施設は引き続き閉鎖となります。



サーキット・ブレーカー措置の緩和が発表されたものの、ガン保健相はまだまだ危機を脱したわけではないといいます。「油断をすると新しいクラスターが発生してしまうかもしれない。感染者数増加を抑えるために、引き続き努力をしなければなりません。」と注意を呼び掛けています。


残りのサーキット・ブレーカー措置は重要なものとして、6月1日まで継続となります。


ウォン国家開発相は、6月1日までに状況が「明らかにコントロールできている」状態の場合は、政府はサーキット・ブレーカー措置のいくつかを元の水準まで戻していけるかもしれないとしています。

「そのときには、私たちが適応していかなければいけないニューノーマル(新常態)となっているでしょう。」


ウォン国家開発相は、5月12日からいくつかの措置が緩和されるとしても、シンガポールに住むすべての人が、Covid-19との戦いにおいてそれぞれの役割を果たすことが必要であると強調しています。


リー・シェンロン首相は、先週木曜日に行われたメーデーのスピーチで、シンガポール経済は、Covid-19のコミュニティ内感染者数が下がってきたら、「段階的に」開放していくと話しています。

シンガポールは、新型コロナウィルスの感染拡大抑制のための「サーキット・ブレーカー」第5週目に入ったところです。セーフ・ディスタンシングは強化され、サーキット・ブレーカー措置は当初の4月末終了から4週間延長されて6月1日までとなっています。

▼シンガポールの新型コロナウィルス感染状況(5月4日時点)(出所:シンガポール保健省)

・新規感染者数:573
・感染者数合計:18,778(入院中1,491、施設隔離中15,812)
・死者:18
・回復/退院:1,457


(出所:Channel News Asia