[シンガポール] 土地なしプライベートホームの中古販売価格が直近12か月で初めて下落

2018年7月に不動産投資過熱抑制策を実施したシンガポール。8月、12か月間で初めて土地なしプライベートホームの中古販売価格が下落した記事をご紹介します。

[シンガポール] 土地なしプライベートホームの中古販売価格が直近12か月で初めて下落



土地なしプライベートホームの中古販売価格が8月下落、12か月続けて上昇を続けた記録をついに破りました。不動産ポータル、シンガポール・リアル・エステート・エクスチェンジ(SRX)プロパティのデータによると、7月に実施された不動産投資過熱抑制策の効果だとみられています。

9月11日(火)に発表されたSRXのフラッシュ予測によると、コンドミニアムおよびプライベート・アパートメントの中古販売価格は、前月と比較して、8月に0.2%下がりました。

不動産市場のオブサーバーの中には、7月6日に実施された追加購入者印紙税(ABSD)の税率の引き上げとLTV上限の強化を受け、緩やかに上昇することはなくともプラス圏を維持するだろうとみている者もいました。

また、取引量にも大きな減少がありました。土地なしプライベートホームの中古販売量は、7月の1,072ユニットから35.3%減って、速報値では694ユニットになりました。

前年同月比では、8月の中古販売量は、2017年8月の1,339ユニットから48.2%減っています。

このデータについて、リサーチ・コンサルティング会社、オレンジティー&タイのクリスティン・サン氏は、「この下降傾向は、中古販売価格がいくつかのレジデンシャルセグメントについてはピークに達しており、現在の投資過熱抑制策のもとで軟調になるという初期の兆候かもしれません」とコメントしています。

8月の下落を受け、今年これまでの中古販売価格の急激な9%上昇は、やや下がって8.8%となりました。前年同月比では、8月の価格は2017年8月の価格より11.2%高くなっています。


▼SRX 土地なしプライベートホーム中古販売価格インデックス(出所:SRX、Straits Times Graphics)

8月の下落が最も感じられたのは、都市部周辺「その他中心地域(Rest of Central Region(RCR))」で、7月から1.6%の下落、一方で都市部「中心部(Core Central Region(CCR))」の下落は0.3%にとどまりました。これらの物件は投資または投機目的で購入されたもののようで、より高いABSDの税率と厳しいローン上限が適用されることになります。

対照的に、都市部から離れたエリア「中心地域以外(Outside of Central Region(OCR))」は、実際に住む用の自宅として購入されているようで、上昇を続けており、8月には0.8%増加しました。

▼中心地域(Central Region)マップ

*中心地域(Central Region): ダウンタウン・コア、オーチャード、マリーナ・イースト、マリーナ・サウス、ミュージアム、ニュートン、オートラム、リバー・バレー、ローチャー、シンガポール・リバー、ストレーツ・ビュー、ビシャン、ブキット・メラ、ブキット・ティマ、ゲイラン、カラン、マリーン・パレード、ノベナ、クイーンズタウン、サザン・アイランド、タングリン、トア・パヨの22エリアから構成される。
*中心部(Core Central Region (CCR)): ディストリクト9、10、11、ダウンタウン・コアとセントーサ。
*その他中心地域(Rest of Central Region (RCR)): ディストリクト9、10、11、ダウンタウン・コアとセントーサを除く中心地域。
*中心地域以外(Outside Central Region (OCR)): セントラル・リージョン以外のエリア。
(出所:Urban Redevelopment Authority


▼シンガポールのディストリクトマップ

(出所:Info Tools Pte Ltd)


SRXがコンピュータにより試算した市場価格と比べて、取引額がどれだけ上乗せされたかを示す「TOX」は8月ゼロに転落。投資過熱抑制策前の6月の17,000シンガポールドルから、7月に4,000シンガポールドルに下がったばかりでした。


また、ディストリクト(地区)別で、半分以上のディストリクトでゼロもしくはマイナスのTOX中央値を記録したことは、多くの人が市場価値以下で売却したことを意味しており、サン氏は「これが売り手から買い手市場に風向きが変わってきたことを示しているかもしれない」と述べました。

▼TOX中央値(ディストリクト別)

(出所:SRX

ディストリクト20のビシャンとアンモーキオは、10件以上の取引のあったディストリクトのなかで最高のTOX25,000シンガポールドルを記録しました。ディストリクト4のテロックブランガーとハーバーフロントはマイナスのTOX37,000シンガポールドルを記録しました。

(出所:Straits Times