[シンガポール] 住宅価格は第3四半期も上昇

シンガポールの住宅価格は2019年第3四半期も上昇を続け、少なくとも5年間で最高レベルに達しています。

[シンガポール] 住宅価格は第3四半期も上昇


2019年10月25日に発表された都市再開発庁(URA)のデータによると、住宅価格インデックスは、2019年第3四半期、1.3%上がって152.8ポイントとなりました。

同インデックスは、第2四半期に1.5%上がって150.8ポイントとなったところでした。その前の2四半期は連続して低下傾向でした。

▼住宅価格インデックス(出所:URA)





■物件タイプ別の価格

土地付き物件の価格は、第2四半期の0.1%低下とは反対に、1%上昇しました。

土地なし物件の価格は1.3%上昇しました。第2四半期は2%の上昇でした。特に上昇したのは、CCRと呼ばれる金融街やショッピングエリアとセントーサ島から構成されるシンガポールのコアとなるエリアで2%、続いてRCRと呼ばれるシンガポールの中心エリアでCCRを除いた部分が1.3%、OCR(それ以外のエリア)が0.8%でした。

不動産サービス会社コリアーズ・インターナショナルのシンガポールのリサーチ長トリシア・ソン氏は、第3四半期のCCRにおける土地なし物件の価格上昇は、新規発売物件およびマリーナ・ワン(Marina One)やマーティン・モダン(Martin Modern)などのプロジェクトにおける販売増加によるものと見ています。

RCRエリアにおける新規発売物件に高値がついたことも、全体的な価格上昇につながったとしています。これらの物件には、アベニュー・サウス・レジデンス(Avenue South Residence)、ワン・パール・バンク(One Pearl Bank)、メイヤー・マンション(Meyer Mansion)、ザ・アンタレス(The Antares)およびアップタウン@ファラー(Uptown@Farrer)などが含まれています。


■賃貸料

第3四半期の住宅賃貸料は、0.1%とわずかに上昇しました。第2四半期の上昇は1.3%でした。

土地付き物件の賃貸料は、第2四半期は0.3%上昇したのに対して2.3%低下しました。

土地なし物件の賃貸料は、第2四半期に1.4%上昇したのちに対して、0.4%の上昇にとどまりました。土地なし物件の中でも、CCRの賃貸料が0.7%低下、RCRとOCRの賃貸料はそれぞれ1.6%、0.8%上昇しました。

コリアーズは、第4四半期の賃貸料も改善を続けるだろうと予想しています。

2019年シンガポールの人口は1.2%増加、うち外国人は2%増加しています。外国人の増加が住宅賃貸市場に影響を与えたのではないか、とコリアーズは見ています。


■新規発売物件と販売状況

2019年7月~9月で、デベロッパーは3,628戸の完成前物件(EC(エグゼクティブ・コンドミニアム)は除く)の発売を開始しました。第2四半期は、2,502ユニットでした。3,281ユニットが販売されたのに対し、第2四半期は、2,350ユニットでした。ECについては、デベロッパーは820ユニットを発売開始し、426ユニットが販売されました。

セカンダリー市場においては、第3四半期2,378件の取引がありました。第2四半期は、2,371件でした。

7月~9月のすべての販売取引における転売取引の割合は、第2四半期の49.7%から下がって41.3%となりました。

第3四半期末時点で、建築許可を得ている完成前住宅は50,964ユニット、ECは3,722ユニットあります。このうち、34,089ユニットが売れ残っています。


■2019年通年見通し

デベロッパーによる完成予定に基づくと、3,235ユニット(EC含む)が2019年末までに完成予定で、5,750ユニットが2020年内に完成予定となっています。

ソン氏は、住宅価格の上昇について、世帯収入の増加、魅力的な新築物件の発売、エンドユーザーに対する厳しい課税がないことなどによる繰延需要に起因するとみています。

ソン氏はまた、直近は外国人が高級物件を購入するケースが増えているとも加えています。その理由として、シンガポール不動産の安定性と安全性が魅力なのではと考えています。「価格上昇のペースは緩やかになっています。経済成長の鈍化の見通しも相まって、この段階で、政府がさらなる投資過熱抑制策を講じることは考えがたいでしょう。」

コリアーズの見通しでは、直近の新築物件の発売開始も加わり、2019年第4四半期の住宅価格は横ばい、またはわずかに上昇すると予想しています。通年では、2.5%ほどの価格上昇と見込んでいます。

第4四半期ももう半月で終わります。通年での結果はどうなるか、今後も注目です。

(出所:CNA