[シンガポール] 3月29日~コロナウイルスとの共生に向けて規制緩和

2022/03/24


本日(2022年3月24日)、シンガポールのリー・シェンロン首相は国民向けに演説を行い、新型コロナウイルスとの共生に向けて、決定的だが慎重な一歩を踏み出しました。




今回の緩和により、グループの人数制限は5人から10人になり、屋外でのマスク着用は義務ではなくなります。また、在宅勤務が可能な従業員の最大75%が職場への復帰を認められます。1000人を超える大規模イベントの収容定員上限も、75%に引き上げられることになります



演説で、リー・シェンロン首相は、安全管理措置(safe management measures (SMMs))の概要を説明し、屋外での感染のリスクは大幅に低くなったので、屋外でのマスク着用は任意とするものの、屋内では引き続き着用が義務付けられると発表しています。



「この大きな一歩の後、しばらく状況が安定するのを待ちます。うまくいけば、さらに緩和を進めます。しかし、今後紆余曲折があるかもしれないことを心しておかねばなりません。」と、今後さらなる感染の波があるかもしれないこと、ウイルスの変異があるかもしれないこと、また制限の後戻りの可能性は除外できないことについても触れました。




とはいえ、コロナ禍で「大きなマイルストーンに達した」として、シンガポールは制限の緩和できるポジションにあると説明しました。



これには、高いワクチン接種率が含まれます。シンガポール国内の対象となる人口の95%が2回の接種を終え、全体の71%がすでにブースター接種も終えています。



オミクロン変異株による感染の波はピークに達し、今は落ち着きを見せています。また、多くの人が、ウイルスに感染・回復したことで、人口全体の免疫も高まっていると首相は述べています。



▼シンガポールの日当たりの感染者数(出所:Worldometer





2022年3月1日には、日当たり24,000人を超えていた感染者も、最近では10,000人レベルまで減ってきています。




今回の制限緩和には、医療システムにかかる圧力についても考慮がされています。首相は、「医療従事者に過度の負荷をかけ、緊急な治療を要するコロナ患者も、コロナ以外の患者も、危険に晒してはならない」とする一方で、ビジネスや経済にかかる厳しいSMMsによる損失と、学びを必要とする子どもたち、交流を求める若者、そして触れ合いの時間を大切にしたい家族、つながりを強化しようとするコミュニティへの影響を比較検討しなければならないとも話しています。



「これらすべてを検討した上で、コロナとの共生に向けた決定的な一歩を踏み出す準備ができていると考えています。」




リー・シェンロン首相は、シンガポールがパンデミックとの戦いに進歩を見せたのは、人々の一致団結した努力のおかげだとするものの、最も称賛すべきは医療従事者と彼らの「自己を顧みない、途方もない犠牲」だと感謝の意を述べました。




「医療従事者と最前線で働く皆さんに、私の心の底から、そして国民の感謝の気持ちを代表して、一言いいたいと思います。”ありがとう”」




(出所:Straits  Times)

(画像:Photo by Mike Enerio on Unsplash  )