[マレーシア] SPセティア、ギアリング比率の引き下げ重点的に

2022/04/25


マレーシアのデベロッパー、SPセティア(S P Setia Bhd)は、ギアリング比率を下げるプロセスを重点的に行っている、とRHBリサーチが述べています。



RHBリサーチは、メルボルンとシンガポールの複数プロジェクトの譲渡に加え、土地の処分も何件か完了しそうで、年末までにSPセティアのネットギアリング比率(*)が現在の0.61倍(非支配株主持分含む)から0.51倍~0.53倍に下がると予測しています。



(*)ネット・ギアリング比率={(総負債-現金および現金等価物)÷(総資産-無形資産)}



2022年第3四半期に完成予定のメルボルンのサファイア(Sapphire)とウノ(UNO)、2022年第4四半期に完成予定のシンガポールのデインツリー・レジデンス(Daintree Residence)の譲渡により、同社の借入金126億リンギット(約3,746億円)から、15億リンギットから16億リンギット(約446~476億円)ほど削減できると見られています。



また、SPセティアの経営陣は、12月22日償還の既存のイスラミック償還可能転換優先株式(Islamic redeemable convertible preference shares RCPS-i B)(10.4億リンギット(約309億円)相当)の借り換えを行う可能性もありそうです。



現在の表面利子率は5.93%です。RHBリサーチは、現在の低金利環境を活用して、より低い金利で借り換えを行いそうだとも話しています。



SPセティアのPCRS-iのAシリーズ・Bシリーズ優先配当の支払、年間1.3億リンギット(約39億円)を削減できることになります。



RHBリサーチは、SPセティアの財務ポジションは今年後半に徐々に改善してくると予想しています。



また、SPセティアは、42.5億リンギット(約1,264億円)相当を発売する予定で、40億リンギット(約1,189億円)の販売目標達成に向かっています。販売開始した物件の65%が土地付きの物件です。



RHBリサーチは、SPセティア株式の格付けを「Neutral」から「Buy」に、ターゲットプライスも1.28リンギットから1.48リンギットに引き上げました。



RHBリサーチは、SPセティアが行っているコアでない土地と同社のタウンシップ開発内の戦略的な区画の売却が、SPセティアがさらにギアリング比率を減らし、所有する土地の価値向上を加速させるだろうと見ています。



SPセティアは、2021年55月にジョホールにある約3.9平方キロメートルの土地をサイエンテックス社(Scientex Bhd)に5億1,810万リンギット(約154億円)で売却すると発表しています。この土地の売却は、段階的に行われることになっており、経済計画ユニット(Economic Planning Unit)の承認を待っているところだということです。



RHBリサーチによると、SPセティアは、セティア・アラム・インピアンの商業用土地区画の売却について、企業複数社と物流1社と話し合いを行っているようです。



土地の新規取得に関しては、SPセティアは、メルボルンの既存のプロジェクトが今年完成するので、新しい土地の取得を検討しているようです。



「メルボルンにおけるSPセティアの過去のプロジェクトから生まれた累積利益を新しい土地取得に充てられるはずなので、今後の資金調達については心配していない。」とRHBリサーチは話しています。




(出所:New Straits Times

(画像:Photo by Sua Truong on Unsplash )