2023/04/18
住友林業グループとキムオアン(Kim Oanh)グループは、大規模な不動産プロジェクトの開発を目的とした合弁会社「KSサステイナブル・デベロップメント社(KS Sustainable Development JSC(仮称))」を設立する戦略的協力協定を締結しました。
住友林業のウェブサイトによると、本事業に合わせて設立する住友林業の現地子会社「Sumirin Vietnam(仮称)」とキムオアングループが出資する「KSサステイナブル・デベロップメント」が主体となり、約20,500㎡の敷地に地上3階建て、販売総戸数118戸の低層住宅を開発するということです。住友林業は、日本国内で培った設計ノウハウを活かし、開発地全体の統一感を醸成するファサードやランドスケープの提案を行い、バリア・ブンタウ省ブンタウ市に勤務する世帯を対象に、幼稚園や多数の公園・緑地を配置して豊かなコミュニティを形成していく計画です。
住友林業はこれまでホーチミン市で2,439戸の分譲マンション開発に参画しましたが、同国での低層住宅開発は初めてです。
今回の提携は、両社が約1年にわたり、協力と相互発展の可能性を探ってきた結果であり、今後も他の大型プロジェクトの開発に向けて研究・協力を続けていくとのことです。
住友林業は332年の歴史を持つ国際企業で、木材や建材、不動産、建設サービスなど、さまざまな分野で事業を展開しています。ベトナムでの数多くの事業活動で大きな成功を収めてきた同社は、ビジネスパートナーを選ぶ際にも常に厳しい基準を設けています。
キムオアングループは、ベトナムでの不動産開発において住友林業と戦略的パートナーとなることに意欲を示しています。キムオアングループにとって、今回の提携は、大規模な開発プロジェクトに対する能力を示す大きな前進となります。
住友林業グループは、両者は戦略的ビジョンと開発価値を共有しており、キムオアングループの強みは、プロジェクト開発能力とダイナミックなスタッフであると述べました。
「ベトナムの不動産市場は、若い人口、高い経済成長、急速な都市化など、非常に大きな可能性を秘めています。したがって、キムオアングループとの協力は、住友林業が人口1億人のこの国の不動産市場に深く浸透するのに寄与するでしょう。」と住友林業の担当者は述べています。
一方、キムオアングループの会長であるDang Thi Kim Oanh氏は、日本の大手企業との提携は、同グループが国際市場に進出するための足がかりになると考えています。
この提携により、キムオアングループは、ビンズオン、ドンナイ、バリアブンタウ、キエンザンなどの複数の場所に所有する、500ヘクタールの土地を効果的に利用する機会を得ることができます。
住友林業とキムオアングループは、住宅用不動産にとどまらず、工業用不動産、観光リゾート、建設などの分野でのビジネスチャンスを探って行く予定です。
過去15年間で、キムオアングループは、土地とプロジェクトの開発、不動産マーケティング・仲介、インフラの建設と開発、高級不動産開発、専門的な慈善基金を含む不動産部門で、ベトナムで最も権威のある不動産開発業者の1つとなりました。
キムオアングループは、本社をホーチミンに移した後、マルチセクターの投資グループモデルを開発し、これまでに南部地域の主要市場で約50のプロジェクトの開発に成功しました。
キムオアングループは、一等地に価値の高い土地を多く保有し、安心で強固な事業基盤を築いていますが、今後も新たな土地投資の機会をうかがい、プロジェクトのポートフォリオに加えたいと考えています。
住友林業グループとの戦略的提携以前にも、キムオアングループは、Frasers Property、CPG、シンガポールのSurbana Jurong、カナダのMaple Bearなど、複数の外資系企業と提携しています。
キムオアングループは新たな発展段階を迎え、より持続可能なビジネスモデルで専門性を高め、顧客や地域社会にさらなる価値を提供することが期待されています。
(出所:Vietnam Investment Review、住友林業)
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